本日は直接ご質問頂いたこちらの内容をブログ内で回答していきます。
車のオートオークション代行会社は現地で『調整』するのかどうか。
調整なんでオークション代行会社を利用して「オークション出品する(車を売る)」場合のお話ですね。
今回当方で販売している「オークション代行ノウハウ」を購入された方からのご質問だったので、特に購入済の方は参考にして下さい。
※分かり易く解説するつもりですが、やや専門的な用語が出てきます。
「調整」の意味が分からない方はこちらを。
過去記事:オートオークションの詳しい解説Ⅱ
まず回答する前の前提として、私自身が車屋なので出す時は自分で出しちゃいますし、正直他の代行会社さんがどうしているのかは分かりません。
ただ私自身ならこうしている、今後もこうするだろうということは理屈で分かりますので、その上での予測で回答をさせて頂きます。
結論。
オークション代行会社が調整なんてするわけがない。
理由は主に2つです。
①オークション代行会社の目的
そもそもオークション代行会社の目的は、ご依頼頂いた車を依頼者の意向に可能な限り沿いながら、代わりに出品し成約してあげることです。
そこに高い金額で成約というのは、結果的にそうなって欲しいとは思っても必須の考え方ではありません(あくまで内情はね)
調整するとなればそれなりに知識を伴ったスタッフが会場入りすることが必須。
しかし現車を見る必要がない代行会社は、全国に支店なんてものを作りませんから拠点は基本1ヵ所です。
となると、わざわざ数台の出品のために遠方会場へ新幹線使って現地入りなんてことはしませんよね(手数料に対してかかる経費が痛すぎる)
ありえるとしたら拠点の近場に会場がある場合のみ、当日候補に上がっている車の下見ついでに(これは別件依頼の代行落札用)調整可能な人員なら調整する・・・かもしれないという程度の確率になります。
②調整のリスク
こちらが私の考える主な理由かな。
①は環境によってはやろうと思えば出来る。
ただ②も合わさると結果的にやらないという考えになると思います。
では「その調整のリスクとはなんぞや?」というと、単純に本来売れるはずだったものが売れなくなります。
良い部分もあるけど、しくじると痛い。
これが調整です。
分かり易くお伝えしますとー・・・
例えば相場(落札予測)が350~360万くらいの車があったとします。
そして「売り切り」という「これ以上入札されたらもう売ってもいいよ」という価格を330万に設定したと仮定します。
・調整をしなかった場合
330万まで入札されなければ流札(出品手数料はかかった上で再出品か車を引き上がるかの選択)
330万まで入札が入れば自動で売り切りモードに切り替わるので、あとはその後の入札次第で結果340万になるかもしれないし360万になるかもしれない。
一人しか参加者がおらず、その参加者の予算が350万だった場合は競り合いがないので330万で終了となる。
これが調整をしなかった場合のパターン。
・調整をした場合
330万まで入札されなければ流札というのは変わらず(買取店なら330万より下で売り切りにしちゃう調整もあるけど、依頼が前提の代行屋さんじゃ絶対にしない)
330万まで入札が入った後は、その時の応札状況によって売り切りモードにせず「この金額じゃまだ売らないよ」という意思表示が出来る。
一人しか参加者がおらず、その参加者の予算が350万だった場合は350万まで釣り上げることも一応可能。
ただし参加者の予算は当人にしか分からないため、吊り上げに失敗した場合「345万で流札」という結果になる可能性もある。
これが調整をした場合のパターンですね。
ではあなたがこの例に合わせて、オークション代行出品を依頼していたとしましょう。
「330万以上なら売る」と相談して決めたのに、「345万で流れました」と言われたらどう思いますか?
となりませんか?
おまけに売れなくてもオークション会場は手数料商売なので、「出品料」はどんな結果だろうが発生します。
となると・・・普通は怒りますよね。
こんな結果報告したらトラブルにしかなりません。
中には失敗した事実を隠して「325万まではいったんですが流れちゃいました」なんて報告する業者もあるかもしれませんが・・・
万が一依頼者にその事実がバレたらとんでもない話になるので、常識的に考えてもまずそんなことはしない。
いくらで売れようがユーザーには関係のない買取店じゃないので、出品した結果を書面なりデータなりで報告するのが普通だと思います。
成約が目的であって高く売るは目的じゃない。
高く売ろうとすれば、余計な人件費やその他経費、おまけにリスクとトラブルに繋がる。
だからオークション代行業者はどこも調整をしない。
これが私の予想です。
ちなみに買取店は大手で大規模会場ならバンバン調整します。
リスクはあってもそれなりのメリットもありますし、何より
失敗=ユーザーとのトラブル
ではなく
失敗=会社の損失
と自己解決出来るからです。
・・・・・過去、月末最終週で粗利ノルマに到達するかしないか。
そんなギリギリの状況で全店の出品車を調整していた当時の統括マネージャーが
「ごめん調整失敗した」
と、明らかに予定の売り切りを超えた金額で流札かましてくれやがった時は、店舗スタッフ「うほおおぁあああああ!!!」と全員阿鼻叫喚でしたが(未達で給料も大幅に下がるため)
特に当時店長だったワイは10万以上給料が下がるので、「なんでこのタイミングで!?どうして調整!?」と噛みついたら
「余裕を持って達成しないお前が一番悪いんだろ」
とゴミに呟くようなセリフを吐かれ、一生許すまじ・・・と今も恨みは消えていませんが。
それでも買取店ならこのような会社内の不平不満だけ済みます(平スタッフが調整員だったらライダーキックかましてる)
調整出来ないから代行出品に利用価値が無いなんてことはない。
黙っても伸びる車、ギャンブルに値する車、そんな相場状況なら充分に利用価値もある。
代行も一長一短。
買取店も一長一短。
輸出専門会社だって一長一短。
全てに万能な売り先なんて存在しませんので、ご自身の車の特徴をしっかり掴んで、高く売れる可能性の強い売り先を選別して頂ければと思います(もちろんご依頼頂ければ全力アドバイスさせて頂きます!)