本日はご質問もあったので、車買取店が語る相場に対しての印象操作。
これがどこまで本当なのかを経験談からお伝えしていこうと思います。
印象操作って?
印象操作とは、あなたの車の価値は高くないんですよ、こんな理由があってちょっと厳しいんですよっていう誘導ですね。
「うちが安いわけじゃねーんです!相場が悪いんです!!」という理由付けみたいなもので、大体は金額提示前などの状況確認とセットで行われます。
そして本当の時もあれば嘘の時もある。
具体的な金額を示さずに、“あなたの心の中の希望額を下げて貰うため”に、必ずと言っていいほど何かしらの誘導を複数の視点から行います。
印象操作のネタなんてものはあなたが納得さえしてくれればなんでも良いので
セダン車の査定に対して
「セダンっていう形状がどうしても需要が狭くてですねー・・・」
っていうのも理由付け。
カラーがシルバーの車に対して
「パールや黒に比べるとどうしても需要がー・・・」
というのも理由付け。
車の内容そのものに対しての金額が出せない言い訳をする時もあれば、その時々の都合の良い時事ネタなんかがあれば高頻度で利用されたりします。
今なら早く収束して欲しい『コロナウィルス』ですね。
「今コロナウィルスのせいで相場が厳しいんですよ」と伝えて、大なり小なり相場に対してのマイナス印象を持って貰えればそれでOK。
納得していない、もしくは同調が弱いと感じれば
・業者専門オークションは人が密集するんで仕入れ側の活動も消極的
・車を購入する人もよほど焦った事情でも無ければディーラーや車屋へ動くことに消極的
・臨時休業している店もある
・車の動きが悪いので相場も悪い
このような肉付けを適当にして、より納得して貰いやすい状況に持っていきます。
少なくともプラスの材料にならないことは大概の人が印象として持つと思いますから、業者側からしてもどの車にも使える非常に扱いやすいネタということになります。
そんな中で
「例年に比べて査定件数も少ないので、個人的にはなんとかしてギリギリ持っていってでも買い取らせて頂きたいんですけどね」
なんてフォローをしておけば、“相場は悪いけどその中でうちは(私は)頑張ります”という印象を持って貰いやすくなるので、慣れている営業マンほど下げつつ自分を上げるなんてことをしているはずです。
嘘と本当は見極められる?
では次に、この印象操作が嘘なのか本当なのか。
ユーザー側で見極められるかですが、見極め自体はそんなに難しくないと私は思っています。
過去にも一度ご質問があって取り上げていますけど、印象操作のやり方なんて営業マンによって違いますので、その時の思い付き次第でイレギュラーなやり方なんかもあったりはします。
ただ理由付けの王道は
・車そのものに対して(グレードとか装備とか状態とか)
・時期的な問題
ここら辺が主なので、当ブログをしっかり読み込まれている方ならほぼ全ての判別は可能でしょう。
上記で例に上げたセダン車だからという理由なら本当。
カラーもシルバーだからという理由なら本当。
時期についても過去に詳しく解説はしているので、年末なんかにこの時期は厳しいんですと言われれば本当ですし、2月は厳しいなんて言っていたら嘘となります。
ただタイムリーに発生する時事ネタ絡みは判断が難しい場合もあると思います。
内容によっては売却タイミングに悩むケースも出てくると思いますので、ここからは過去にあった時事ネタ。
景気に影響する出来事があった時にどうだったかを2種類のパターンに分けて思い返してみます。
【国内需要向け車両】
あなたの所有されている車が国内需要向け車両。
つまり、次に乗る人が日本人の可能性が高い場合、景気の影響は基本そこまで気にしなくて良いです。
今流行りのコロナウィルスも全体的な相場が下がった印象は無いですし、大きく株価が下がるような事態・・・
過去にあったリーマンショックの時も、私は既に車屋でしたけど仕事をしていて相場が大きく下がったという印象はありません。
逆にアベノミクスで株価が好調だった時に、連動して車の相場が上がったという印象もまったく無いので、景気の問題は気にするだけ損くらいに思っておいた方が良いと思います。
重要な点として、あなたが既に乗っている時点で“次は中古車としての扱い”になります。
不景気になったところで車が生活必需品であれば結局は動きますから、不景気で新車購入を検討していた人が中古車に流れる。
そろそろ乗り換えようと思っていたけどもう1回くらい車検を取るという動きはあるでしょうけど、需用も供給も下方されるので相場は大して変わらず平均取引単価(車の質)が落ちる。
このくらいに思っておけば良いんじゃないかなと思います。
ただし基本そこまで気にしなくて良いというのは、一般的な単価の大衆車であればというお話。
誰が見ても高級車と呼ばれるような車は、特に高年式のうちだと影響はあってもおかしくないと思いますので、新車価格1000万を超えるようなお車を所有されている方はちょっと気を付けて下さいね。
買取店だと0円~400万円くらいの買取価格が99%以上を占めるので、正直高級車がどう影響を受けていたのか私自身は体感出来ておりません。
あくまで売却価格が0円~400万円くらいの大衆車であれば、今まで景気云々で体感出来るくらいに相場が下がったことは無いということになります。
ちなみに景気とは別で影響が強いのはこういった内容。
・増税に対しての反動減(3%上昇の時は反動減特大、2%の時は慣れたのか反動減はほぼ無し)
・モデルチェンジの影響
・繁忙期(決算期)を過ぎた後の時期的な反動
・メーカーや車種限定でのマイナス印象(過去の三菱問題や直近だと日産デイズなど)
景気云々なんかよりも、この4点の方が遥かにダメージが大きいです。
※下落を体感出来るのは、色々な車が急に10~20万くらい相場が下がった場合です。
2~3万下がったところで体感なんて出来ませんし、そもそもとしてそれが景気の問題なのか、時期的な問題なのか判別なんて出来ません。
【海外需要向け車両】
あなたの所有されている車が海外需要向け車両。
次は海外に運ばれて外国人が乗る可能性が高い場合、景気の影響で為替が大きく動けば気にする必要が出てきます。
多少であれば経験上そこまで気にしなくてOK。
リーマンショックレベルであれば、「景気の問題で輸出が止まっているので相場がやべぇです」と言われても本当の可能性が出てきます。
日本で売って日本の誰かが買う国内需要向け車両と違って、為替が変動すれば仕入れ価格に影響を受けますのでこれはしょうがないことですね。
超初歩的な例を出せば(というか初歩的なことしか分からん)、日本で300万前後で取引されている輸出該当車を外人さんが輸入する場合。
リーマンショックレベルの1ドル80円であれば、仕入れは37500ドル。
5年くらい前の1ドル120円時代であれば、仕入れは25000ドル。
円高傾向になっている現時点の1ドル105円であれば、仕入れは28570ドルくらい。
このようになりますので、円高傾向にあればその分日本での仕入れ価格を抑えて帳尻を合わせる。
このような動きが強くなりますし、輸出業者や諸外国の販売店が利益が取れないと思えば輸出もストップします。
1ドル80円時代には5~15万ほどの低単価輸出車も輸出ストップで、本当にどうしようも無く廃車を連発していた記憶がありますので、ここまでいくと営業マンの言っていることも本当で、輸出絡みの車は多くがご臨終くらいに思った方が良いと思います。
まぁ1ドル105円が108円になる、102円になる程度の変動なら気にしてもしょうがないので、そんなに気にせず動いちゃった方が良いと思いますけどね。
輸出車の場合は
・増税に対しての反動減・・・影響無しか、増税分がプラスになる可能性も有り
・モデルチェンジの影響・・・輸出取引価格が高いほどダメージも特大になる可能性大
・繁忙期(決算期)を過ぎた後の時期的な反動・・・あまり影響無し
このように国内需要だと影響の大きい内容も海外需要だと影響が無くなる要素があり、逆にラマダンなどの宗教絡みや、首相の交代(関税絡み)、急な法の改正や輸出国の景気などなど・・・
日本人にとっては分かり辛い部分で影響を受ける可能性が出てきます。
1ヵ月後、3ヵ月後にどうなるか分からず、先々が読み辛い、ギャンブル要素が高いと常々ブログ内で言っているのは、こういった要素が複雑に絡んだ結果の輸出価格だからというのが理由です。
まとめ
というわけで、話がちょっと反れた気もしますけど営業マンの嘘と本当。
なんとなくご理解頂けましたでしょうか?
相場が分かっていないと複数社から同じことを言われた場合、余計に心配にもなりますし本当に安いんじゃないかと思い易くもなると思います。
ただタイムリーな時事ネタは皆似たようなことを言いますし、車の特徴だって本当の事なら同じポイントで突っ込みが入ります。
本当なら諦めるしかありませんけど・・・
当ブログの各車種専用記事をご覧になって頂きながら車や仕様を選んで頂ければある程度は事前に回避可能。
時事ネタはそんなに気にせず、輸出車の場合はとりあえず為替相場とラマダンの時期だけ気にしておく。
心を揺さぶられたくないなら有料査定サービスをご利用頂き、相場をガッツリ把握して商談に挑んで頂く。
こんな感じで対策されておくと商談でハラハラすることも少なくなると思いますので、参考にして貰いながら平和にお車の売却をして貰えればと思います。
特にこの時期は動く方も多いので頑張って下さいね!
悩むくらいなら3月中にしっかり売り切って自動車税負担を無くしていきましょう!(ただコロナには気を付けて!)
【カーセンサー】
売却を検討している方はこちらから。
高額売却に結び付きやすい地場企業や、車によっては県外の専門業者からも問い合わせが入ります。
極力聞いたことのある会社だけでなく、聞いたことの無い会社を選んで下さいね。
【ズバット車買取比較.com】
こちらも地場企業の参加率が高い一括査定サイトです。
オークション転売が主体の会社では無く、自店に在庫として並べる会社を見つけられるかがポイント。
小規模店、地場企業の方が営業力が無い&自社販売率が高いので、話がスムーズなことが多いですよ。
【かんたん車査定ガイド】
最大10社の査定が取れる一括査定です。
ただし最高額が分かるわけではありませんので、あくまで査定確保ツールとお考え下さい。
査定数が増えれば高額売却になりやすい在庫採用などのチャンスは広がります。