車を高く売るためのコツ 車売却前に知っておくべき知識

車のリコールと買取・査定価格の関連性【買取屋が解説】

投稿日:2017年2月27日 更新日:

今まで何度かご質問があった車のリコールと売却価格の関連性について本日は記事にしてみようと思います。

 

色々な車種でこのリコールは該当があるのですが・・・

所有している車が該当して、自宅や会社にハガキが来た人も結構いるんじゃないですかね?

大規模リコールだとちょいちょい日産が!トヨタが!何万台のリコール!!ってニュースでもやってますし、知っている人は多いと思います。

 

では今まで該当したことの無いラッキーな人も多数いると思いますので、まずリコールってなんなの?って人のための簡単な解説から。

 

リコールとは・・・メーカー側が国土交通省(要は国)に申請した“車の初期不良箇所”を無料で直してくれる制度

 

分かりやすく言えばこんな感じです。

 

該当車両を予約後にディーラーに持ち込んで部品を交換して貰う。

メーカー過失なので修理費用はかかりません。

新車時の保証が有ろうが無かろうが直してくれます。

 

持ってって預けないといけないので手間はかかりますが・・・

まぁ特定部品が改良された新品に交換されますのでオッケーオッケー。

 

 

ではそんなリコール。

車をいざ売却しようとした際に価格面で何かしら影響があるのか、または乗っている車がリコール該当してしまった場合、根本的な価値は落ちるのか。

本題となるこの部分について詳しく解説をしていきましょう。

 

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と言ってもそんな詳しく解説するほど複雑ではありません。

結論だけ先に言ってしまえば・・・

 

基本的には影響無し!

 

これが答えになります。

 

例えばリコールが発生した。

故障はしてないけど直しとかないと売る時安くなっちゃう・・・?  

答え・・・なりません。

 

乗ってる車がリコールに該当した。売る気は無いけど今の価値って落ちちゃう・・・?

答え・・・それが理由では落ちません。

 

乗ってる車のリコールこれで3度目だよ!!さすがにヤバいんとちゃう?

答え・・・ヤバないです。

 

と、このようにほぼ影響はありません。

 

だってね、自分の乗っている車のリコールならまだしも、他の車のリコール対象とか興味無いもん。

というかそもそもリコール発生してることすら普通知らんもんよ。

あなたが欲しいと思った中古車。

過去にどんなリコールがあったか調べる人なんていますか?

 

誰もいないってことは無いでしょうけど、少なくとも私はそんなマメな人、見たことも聞いたこともありません。

 

私は車屋ですが、販売しようとしてる車について「この車って過去にどんなリコールあったの?」なんてお客さんから聞かれたことも無いですし、販売しようとしている私もそんなこと把握していません。

 

その時故障しているわけでもないので、完全に無かったことになっています(笑)

 

それにリコール対象って内部の部品になってくるので見た目で分からないんですよね。

 

パッと見見えない部分は購入される方も気にしない。

 

だから売値に響かない。

 

よってオークション相場も変動しない。

 

つまり売る時も影響が無い(営業によっては売る時揺さぶり掛けられると思いますが)

 

というわけでそんなにリコールでビビらなくても大丈夫!

いっぱい走ってる人気の30型プリウス(1個前の型)なんて何回もリコール入ってますが、今だにしっかりとお値段残っておりますし、中古を購入される方も何も気にせず買っていかれてます。

 

以上!!

 

 

 

と思って油断したあなた。

 

まだ続きはあるんだぜ?

 

 

先ほども言ったように“基本的”には影響が無い。

 

その時故障しているわけでもなければ無かったことになる。

 

パッと見見えない部分は誰も気にしない。

 

 

 

つまり、故障していれば影響があるわけです。

 

ぱっと見見える部分なら影響があるわけです!

 

だから基本的には影響が無いと言いました。

 

リコール対象となっている部分がすでに悪影響を及ぼし、症状が表面化している場合。

 

これは必ずディーラーで直した上で売却するならして下さい。

 

リコール対象部分なんだから、買った人が直せば直るんだし問題無いでしょ?

この考えは通じませんので。

 

今までの記事を隈なく見ていた方なら分かると思いますが、車の故障は白か黒、0か100です。

故障一歩手前でも、症状が出てなければ新品交換したものと評価は変わりませんし(一部その車に詳しい専門業者が、自分のところで販売する場合は価格を変えることもあります)

逆に故障していれば、故障の最大リスク(最大修理費用)を考えます。

 

あなたがいくら口で「この故障はリコール対象部分なのでディーラー持っていけば無料で直せます」と言ったところで、わずか数十分の査定でそんな判別は出来ません。

というかあなたが相手をしているのは整備の人間では無く営業なので、普通そんな判別も出来ません。

 

つまりリコールと関係無い可能性も考えて価格が割り出されます。

 

オークション会場でもそうですね。

故障していれば誰だって警戒しますので“無料で直る”なんて言葉は鵜呑みにしません。

 

 

 

また、見えない部分だから影響は無いけど、見える部分は影響がある。

これどういうことかというと、稀にリコール対象部位が誰が見ても分かる部分であることがあります。

 

 

例えばそうですね・・・

以前あったシビックとシビックハイブリッド、そしてストリーム。

 

以前、この3種に走行メーター部分のリコールが発生しました。

 

特定条件で走り始めてしまうとスピートメーターが正常に機能しないというものです。

そしてリコール対象になり・・・仮に直したとします。

 

これでメーターも正常通りに動く!バッチリやで!!

 

でも・・・メーターは0キロからスタートします。

 

 

中古で購入しようとした方が

 

「いやー以前リコールがあってメーター距離数は実走行値じゃないんすよ。ほんとはプラスで2万キロほど走ってます」

 

「でもリコールだから大丈夫っすよ!ディーラーで新品にしてますし!」

 

こんな説明を販売店から受けたとしても、正直あまり良い気分にはならない方が多いと思います。

 

こうなるとメーター交換をしてる車よりしてない車の方が売れやすい。

 

メーター交換をリコール対応している方が売れ辛いため価値が落ちる。

 

それに合わせてオークション会場の取引相場にも差が出る。

 

買取店もそれを見て価格算出を行う。

 

つまりリコールをしてしまったあなたの財産価値は減り、売却価格がリコールをしたことによって減少する。

 

こういう構図が生まれます。

こういった事例の方が圧倒的に少ないですけどね。

 

なんだか解説なんで長くなりましたが・・・難しく考える必要はありません。

 

需要と供給、それだけであなたの車の価値は決まっていきますので、一般人の目にも触れやすい部分で、やることによってマイナス印象を与えそうな部分はとりあえず冷静に考える。

近々で売るつもりなら“敢えてやらない”という選択肢を作ることも重要。

 

逆に一般人には見えない内部の部分にリコールが入った場合は、故障が表面化してないならどっちでも良い、故障が表面化しているなら直して売る(もちろん長く乗る予定なら直しちゃった方が良いと思います)

 

これだけ覚えておけば問題無いです。

快適なお車ライフを応援しております(笑)

 

 

 

 

 

ってここで終わると思った?

 

 

 

思ったでしょ?

 

 

 

甘い、甘いよ。

 

 

 

このブログの使命はなんだ?

 

 

 

言ってみろ!

 

 

 

そうだ!!

 

 

あまり表に出ないことをぶちまけるブログだろうがっ!!!!(知らねーよとか言わないで

 

 

 

 

 

まぁ三段クルーン方式をやってみたかっただけだけどwww

 

というわけで十分ブチまけた気もしますが、罠にも引っかからず3段目まで到達された方へのオマケ情報です。

 

上でリコールとはなんぞ?という簡単な解説をしました。

 

一応もう1回言っときますが

リコールとは・・・メーカー側が国土交通省(要は国)に申請した”車の初期不良箇所”を無料で直してくれる制度

 

リコールとはこういった制度です。

 

メーカー側が“初期不良です”と申告して無料で直す。

 

そう、申告制なんです。

 

 

ということは?

 

 

そう。

 

 

申告してないパターンもあるってことです。

 

 

この詳しい部分はメーカーで務めたこと無いんで詳しくは分かりませんけどね。

・人命に関わるような重大欠陥は、あとからの訴訟とかで大変なことになるので素早く申請する。

・故障頻度の高い内容に関してはクレーム、信用の下落、ブランド力の低下を招くので申請を出しておく。

 

推測ですが、こういったメーカー側の会議があって申請部位は決定、損失見込み額を計算しながら申請されているんだと思われます。

 

つまり、人命には関わらない、故障頻度が普通よりは多いけど極端では無い。

こういった表に出ていない「リコールじゃないリコール」というものが存在します。

 

このリコールじゃないリコールの特徴は

・問い合わせる窓口(ディーラー店舗)によって対応内容が違う(メーカー通達が行き渡ってない可能性がある)

・ゴネるかゴネないかでも結果が違う

・メーカー保証などに関係無く・・・修理費用が無料になったりする。

 

このような特徴が有ります。

これは今までの経験からです。

 

 

例えば過去にあった事例を・・・

あまり特定の車名まで出しちゃうと本業がバレそうなんで濁しますが、とある輸入車のシートが発火したことがあります。

原因はシートヒーターの暴走。

レザーシートに焦げ穴が出来てしまい、困って最寄りのディーラーに連絡したところ推定40万の修理見積もりが出ました。

 

そんなん直したら余裕の赤字です。

 

困った私はネット検索。

どうやら同じ事例が数件確認出来るけどリコール対象では無い模様。

 

そしてここからゴネ。怒涛のゴネ。

赤字になりたく無い一心で、「おうおう最悪車が炎上じゃねーか!人乗ってたら死ぬぞオラァ!!」ともっとまろやかな言い方でメーカーに直訴。

 

結果、その事例が複数あることを把握していたようで、最寄り店舗にメーカー側から連絡、急に営業マンの態度も変わり、無事費用負担無しで修理完了。

 

 

またはこんな例も。

純正テールレンズがフルLED化されており、玉が1個でも切れると丸々交換で修理費用がドドンッ!!という車だったのですが、販売して数か月後に球が切れたみたいで「保証でなんとかしてくれ~」と連絡がありました。

 

とりあえず費用を最寄りディーラーに確認したら8万円・・・8万円・・・

別のディーラーに問い合わせても8万円・・・8万円・・・

 

これは痛過ぎる出費。

 

そして私はネット検索。

リコール対象では無かったものの、頻度がそこそこ発生しているようで無償交換に成功した事例もいくつか確認。

幸い成功事例に記載されていたお店の一つが、販売したお客さんと同一県だったのでそこにお問い合わせ。

無料交換の話をすると「メーカー側からで、生産〇〇年までは故障が確認出来れば無償交換対象だったんですよ」と説明有り。

 

え・・・もう対象年月超えてるやん・・・そして泣きながら中古部品探して自腹で修理。

 

と、このように新車保証などとは別に何年までは保証対象になっている部位、または年数に関係無く事例が多いと申告により無償になったりする故障部位もあります。

当然リコール対象では無いので、所有しているからと言って親切にハガキで通知が来るわけではありません。

 

そして故障して初めて適用、リコールで改良型があるわけでもありませんので、同じパーツが装着されるか修理が入ります。

 

なんでもかんでもゴネれば直るなんて甘いものではありませんが・・・

乗られている車に何かしらの故障が発生した場合、メーカー保証や販売店保証が切れていても“とりあえずネットで同等の症状がどれくらいあるか検索”をすることが重要です。

 

同じ車で同じ故障が多ければ、その悩みを発信している人も複数確認出来るかもしれません。

そこにタダで直せるヒントが書いてあるかもしれません。

 

黙って「保証も切れてるししょうがないか」と直す前に、ワンクッション入れて行動してみることをお勧め致します。

 

※このような対応が可能なパーツの絶対数は経験上かなり少ないです。ダメ元くらいの気持ちで動いてみましょう。

 

  

 

 

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執筆者:


  1. okiraku146 より:

    いつも楽しく拝見させて頂いています。私も以前NRNCの個人売買で購入した50系エスティマのヘッドライト部分に水入りしてしまい修理工場に駆け込むと部品交換で数万円という見積もり。どうしようかと思案しネット検索するとメーカーのリコール無償交換対象であることが判明、トヨタ公式HPの該当ページをもってディーラーに堂々と持込むと当然ながら無償でクスミ一つない新品部品に交換されて戻ってきました。以来、エスティマ買ったらヘッドライト交換というのが定番になっていました。(水入りもその時には乾いていると言ったらわかんないし、ディーラーもメーカー請求できる作業?なので別に気にしてない様子でした)一つ注意なのが補償対象期間が区切られていて(確か10年間だったかな?)サービス期間も終了してしまう事があるようです。年式の古い車両だとその辺りも視野に入れたほうが良いかも、ですね。また良い情報あればお願いいたします。

    • にー より:

      楽しんで頂けているようで何よりです!
      NRNCってなんだー!って思ったらノークレームノーリターンでしたか(笑)
      また勉強しちまったぜ・・・

      それは正式なリコール対象のパーツだったんですかね?
      リコール対象ならそれで請求出してくるってのも凄いな・・・
      対象数も相当あるでしょうから把握しきれてないんでしょうね。

      私が経験したのも確か10年だったような・・・
      物によって違う可能性もあるので、やっぱりネット検索で調査は大事ですね。

  2. DA より:

    リクエストありがとうございます♪
    早い記事のアップにはマメさを感じ、三段構成にはドキドキいたしました!
    そして文章も面白いのに、何故かモテないキャラ演じてるのは不明ですが…、しかし本当に読みごたえある内容には感服しました!
    裏リコール?を使ってヤカるなんてこのサイトらしい手法提示で勉強になりましたし、リコールの多かった車種(プリウス)でも市場では十分値段があるということも参考になりました!
    今後もこちらで情報収集と文章のエンターテイメントを楽しませていただきます♪もちろん必殺の有料サービスも必要時に依頼させていただきます!ありがとうございました!

    • にー より:

      いえいえ!

      モテててたらですね・・・毎日夜中ブログ触らんでデート行っとるとです・・・
      相手がパソコンしかおらんとです・・・

      リコールになっていないリコールは該当していればそんな激しくいかなくても大丈夫ですよ(笑)
      ただちゃんと工程踏んで言うこと言わないと、言った相手も把握してない可能性があるので注意しましょうってことですね。
      何も無いのが一番ですが、機械じゃどうしたって壊れる時は壊れますからねぇ。

  3. 俺はSUV が好きなのに より:

    まぁ日産ユーザーの方々は失墜や無念なお気持ちでしょうね。今日のニュースは。

    これから大量リコールの予感ですが、それよりまずはブランド力が低下は避けられないかと思います。

    買い取り市場は反応されてますか?

    • にー より:

      今回の件でブランド力は確実に落ちますね。
      新車販売台数とかは影響が出ると思います。
      ただ今のところ仕事をしている中で、日産車のリセールに直に影響が出ているような印象はありません。
      個人的には乗っているユーザーに直接的な損害や実害が無いので影響は少ないと思っています。
      これが以前のデイズのように、「実際燃費で損してるじゃん!騙された!」っていうパターンなら、車も限定されてますし影響も出やすくなるのかなと思ってます。

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