車売却前に知っておくべき知識 車買取店の内情

車の売却 あまり言えないキャンセル違約金の実情

投稿日:2016年1月11日 更新日:

なんだかんだでマメに書いている管理人ですこんにちは!

 

それでは前記事「車売却後の契約キャンセル そのやり方を公開」の続き、契約キャンセル後のキャンセル料、違約金についてです。

 

たぶんですが、キャンセルをしたいユーザーが一番悩む部分がここなんですかね?

昔は1社くらいしかこの制度を取り入れていませんでしたが、最近は大手の中でもこのキャンセル違約金に付いて約款に直接記載している会社が多いです。

 

よくあるのは

契約後、売主側の一方的なキャンセルの場合、○万円+契約金額に対して数%分の上乗せ

こんな感じでしょう。

 

50万以下は一律5万円

それ以上は契約金額に対して一定の割合で加算っていうところもあります。

私が勤めていた大手3社のうち2社にもこのような文言がありましたので。

 

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前回記事にした内容は主にこの違約金の文言を入れていない会社が率先して取る内容です。

 

逆にこの違約金に対しての文言がある会社は、意外とスムーズにキャンセルの話を受け付けます。

 

しかし・・・

「キャンセルするなら違約金払いなさい」

となるわけですね。

 

 

 

 

そしてユーザー側は

「えー払わなきゃいけないの?まず高いよ!車も預けてないのに酷い!!払いたくない!けどキャンセルしたい!

 

 

 

 

 

「誰か!なんとかならないの!?」

 

 

 

 

 

こう思うのでしょう。

ネット検索するとこんなお悩み相談がいっぱい出てくるので(笑)

 

やはりこの手の悩み相談を見ていると、なんて自分勝手なんだろうなーと思います。

私もキャンセル希望の人の話を聞きながらよく思ってましたが

自分が引き起こしている問題にも関わらず、自分が被害者のように思っている人が多いこと多いこと。

 

安い金額で契約させられたって思いが強いんでしょうかね。

 

 

 

 

経験上、契約キャンセルは大よそ50件に1件くらいの割合で起きます。

そしてその中の9割は、契約後により高い金額が出たというのが理由です。

本当に家庭の事情で急に売れなくなって・・・という人は極一部。

 

何が言いたいかと言うと・・・

この9割の「より高い金額が出たからキャンセルしたい」という人たちのおかげで

 

この”違約金”という内容が車買取業界の中で浸透しました。

 

 

 

ありがとうございます!

 

 

 

 

 

 

とさすがに言い過ぎましたが、実際の理由はこれだと思います。

おかげで金額じゃなく本当に家庭事情などの問題が起きた人にまで、キャンセル費用請求の影響がいってしまっているというね・・・

 

大手勤務時代にもその当時の部長が言っておりました。

 

キャンセル防止策だと

 

まぁやっていると本当に防止策になるんですよね。

仮に100万円で売却した車をキャンセルしようとしたら10万弱くらいは違約金が発生するでしょう。

いくら契約後に他社が上乗せしたからといって、そんな豪快に上乗せなんて中々出来ないですからね(よっぽど安く契約していれば別ですが)

違約金の認識がしっかりユーザーにあれば、キャンセルしても逆にマイナスになっちゃうしと契約続行となるわけです。

 

逆にこの文言が無いとすぐ「キャンセルキャンセル!」です。

キャンセルするのが当たり前となり、契約と引き換えに金額を引っ張り出して悪用する人たちでいっぱいになるかもしれません。

そうなると買取店はもう商売になりませんね。

 

まぁこんな話が頻発するようになったのも一括査定がきっかけなんですけどねぇ・・・困ったもんだ。

 

 

 

えー話が逸れましたが

この違約金。

 

実際に支払う必要があるのかどうか。

 

支払わなくてもキャンセルが出来るのかどうか。

 

皆さんが知りたいのここでしょうからこの部分について解説します。

 

 

 

と言っても私は法律家ではありませんから、今から説明する内容は法律に合わせたお話しではありません。

あくまで実際に対応していた現場での内容からお答えします。

 

だからこそ・・・リアルな内容だとも思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ではまず結論から言いますが

 

違約金は払わなくてもキャンセル出来ます。

 

 

良かったな!

歓喜してるやつ!

 

だからと言って当たり前のようにキャンセルすんじゃねーぞ!!

 

マジで!!

 

 

 

ではなぜ払わなくてもいいのか。

その理由ですが二つあります。

 

 

①法的に無効・・・かも。

ここは法律の専門家では無いので確定ではありません。

正確な答えは分かりませんが、少なくとも大手勤務時代

 

裁判まではしない

貰えるなら違約金を貰え

まずはキャンセルを止めろ

無理はするな

 

このような対応を会社指示で取っていました。

違約金を文言に入れていた大手2社ともです。

 

また、違約金を文言に入れなかった大手の部長は

「結局文言に入れても裁判したら負けちゃうし、印象悪くなるから約款には入れない」

と言ってました。

もう何年も前の話ですけどね。

 

 

 

当たり前の話ですが、契約書とはそもそも契約書を作る側が有利になるように作ります。

そうしないと商売上、損になりますので。

買取業界に関わらず、どんな業界でも契約書が絡むところはそうですね。

 

ただなんでも好き勝手に契約書を作れるかと言ったらそれは別問題で

過剰に作った側が有利になるような内容となれば、法的にその契約書が無効になる(契約後でも)

 

これが現在の法律です。

 

 

そしてこの「違約金」は法的に微妙なんだと思います。

根拠の無い費用というのが問題なんですかね。

あくまで買い取る側が一方的に設定をしただけで、なぜその金額なのか具体的な内訳は説明が出来ない。

みたいなみたいな。

 

もちろん実際にあなたがキャンセルをすれば買取店は被害を被ります。

あなたと商談をし、金額を煮詰めた時間(担当スタッフも含めその車に関わった人間の労働時間)

使用した契約書

出張に行っていればガソリン代、移動に使用した車の伸びた距離数分の損失

他にも細かく言えば電話代とか色々あるでしょう。

 

ただ実際に掛かっている実費費用というのは、あくまで車も書類も渡していない、契約書の取り交わしのみの状態であれば、よくある違約金の5万10万15万というとこまで普通はいきません。

それに1万円で売却して、いざキャンセルしようとしたら5万円じゃちょっと理屈としてはおかしいですからね。

 

あくまで内訳の大半は

「あなたのために色々仕事をした分の迷惑料(本来取れるはずだった利益の一部を回収)」にあたります。

 

 

だからキャンセルを受けた際に、私はよくこう説明していました。

「人によってこちらが損害を受ける費用は違いますんで、その費用を事前に取り決めているのがこの違約金です」

 

「この内容に納得したから契約しているんですよね?」

 

これで大体はキャンセルが止まるというのが実情です。

 

 

よくネット上のお悩み相談をしている人にも

「その説明を受けていない!」

という人がいます。

 

しかし契約書にサインをする際には大体その近くに

”約款の内容を確認し理解しました”

という旨の記載があります。

 

そうするとあなたはその約款内容も含めてサインをしていることになるわけです。

こうなると、いくら説明を受けて無いと説明義務違反を突いても所詮は言った言わないの世界。

 

契約書が全てです。

 

言った言わないにならないよう書面で取り纏めるのが契約書なので。

この部分ははっきり言えば契約をした側の落ち度ですね。

どんな契約内容なのか理解もせずに契約する方が悪い!

 

そう、契約をした方が悪いんです。

 

でもその「迷惑料」は費用請求出来ないのではないかというのが一つ目の理由となります。

 

 

 

②結局本社は動かない

これが現場で働いていたからこそ分かる一番の理由です。

①は不確定な理由ですしおまけですね。

 

買取店も大手であればある程、広告宣伝にお金を使っているので会社のイメージを気にします。

そんな会社が店舗ごとに月に1度はありそうなこの手のキャンセルに対して

 

「違約金払わないなら裁判じゃー!」

 

ってなると思います?

 

大手なんて全国規模ですから店舗数だって数百件レベルです(加盟店まで含めれば)

もちろん違約金を実際に払う人もいれば、買取店の説明を受けて考え直す人も多数います。

しかしよくネット上で、どうにかして払わずにキャンセルしたいという極悪な人達に毎回裁判してたら、悪い意味で有名になって普通のお客さんが寄り付かなくなります(笑)

 

それに違約金といってもよくあるのは10万円未満です。

個人にとっては大きいお金ですが、会社にとっては微々たる金額。

その程度のお金で回収出来るかも分からない裁判するくらいなら、その労力と時間を別の車を買うために割けというのが大体の会社の考えです。

 

 

 

ただ・・・

現場の、特に担当したスタッフは考え方全然違いますからね。

 

会社規模で見ればはした金でも、イチスタッフの粗利予算から見れば違約金は大きい金額ですし、店舗として見ても違約金は無下に出来ない金額です。

何より担当スタッフはあなたのために実際労力と時間を使って動いています。

それがキャンセルはしたい、なのに違約金すら払おうとしない。

 

こうなれば普通は人が変わります。

 

本気で怒るでしょうね。

罵声を受けることもあるでしょうし、払わなかったら出るとこ出るぞと脅されることもあると思います。

 

でもそれはしょうがないことです。

 

本社に

「酷い事言われた!客なのに!どういう教育してんだ!!なんとかしろ!!!」

なんて泣きついている場合じゃありません。

余計感情を逆なでします。

 

一言で言えば担当スタッフは理不尽なあなたの要求にムカついているわけですからね。

そういったことにも真摯に向き合い、何度も耐え、押し問答を繰り返したのちに違約金無しのキャンセルが待っています。

契約をしてしまった責任と思って大人しく耐えましょう。

 

大人しく耐えれなかった場合、別の意味で怖い思いをする可能性がありますので。

(車の営業は学歴が関係無い分、血の気の多い人間も混ざっています。車が好きなヤンキー上がりだと・・・)

 

知り合いの買取店スタッフに、違約金も払わないで逃げようとしたから

 

車凹ましてきた。

 

 


パンクさせてきた。

 

こんなアホな人もいます。

 

もちろん犯罪です。

しかし契約をしている時点であなたの住所はバレています。

 

おいおい・・・とは思いましたが、同じ業務をやっている身としては気持ちも分からなくはないというのが本音です。

 

この記事を見て、よしタダでキャンセル出来る!と思っている人は、それくらい怒らすことをしようとしているんだとまずは認識して下さいね。

 

 

 

とまぁ、こんなリスクもあったりしますが

私自身、一括による出張査定にかなり行っていたので違約金の文言を入れている会社の知り合いも多数いますし、勤めていた会社が違約金を取る会社の時もありましたけど、少なくともこのパターンで私が知る限り

 

裁判になったケースはありません。

 

違約金を貰っている頻度はそれなりに高かったですが、どうしても払わない場合は最終的に諦めていましたし、他もそんな感じでした。

 

ただ、個人的にですが注意しないといけないのは

・小規模買取店の場合

・大手買取店でも加盟店の場合

この場合はもしかしたらですが裁判にまでなってしまうかもしれません。

 

一応それぞれ解説します。

 

 

・小規模買取店の場合

小規模の場合はそこまで宣伝広告費に対して費用を支払っていませんので、イメージや信用より目先のお金と思っている会社もあると思います。

仮にネットで炎上しても、大手と違って大して話題にもならないですしね。

こういった場合、勝つか負けるかは別にして最悪裁判になるかもしれません。

 

買取店側も受けるダメージが少ないということです。

 

・大手買取店でも加盟店の場合

私は全て直営店勤務でしたので詳細は分かりませんが、加盟店の場合は中古車屋を含む車関係の人が看板を借りてやっていますし、直営店で勤務していた人間が独立して看板を借りる場合もあります。

 

要は大手ですが小規模であり社長も会社も別ということです。

 

こうなると内容は小規模買取店と同じような感じになります。

大手買取店の本社と加盟店契約の際に何かしらの取り決め(看板を傷つけないようにするため)があるのかもしれませんが、「裁判とかすんなよー」なんて取り決めまではさすがに無いと思いますので、裁判の可能性も多少はあるのでは無いかなと個人的には思います。

詳しくは知りませんが、違約金レベルの費用なら少額控訴で費用も時間も大してかからないでしょうからね。

 

 

 

契約をした時点でその車の所有権が移転し買取店の物となる(約款に書かれてますし常識的にそうなります)

その物品をまた別の第三者へ売却すれば二重契約であり横領の罪になる

 

こんな見解もありますし

 

実際掛かっている費用より多い費用を請求することは契約無効条件に当たる

 

こんな見解もあります。

法律も人によって見解が違うので、この手の裁判の経験が無い以上答えはよく分かりません。

が、この手の裁判の結果がネットで調べようと思っても出てこないのは、実際裁判になってないからじゃないかなと思います。

 

 

まとめますと

・違約金での裁判はユーザーが勝てるかどうかは不明

・ただまず裁判にならない

・だからと言って強気な発言ばっかりして火に油を注ぐと別の報復をされる可能性も少しある

・小規模会社や加盟店はもしかしたらがあるかもしれない

・自分がまともな人間と思うならキャンセルはするな

・キャンセルの可能性が少しでもあるなら契約するな

・あなたのために買取店は結構労力と時間を使っています。

 

以上となります。

 

 

ちなみに前回記事で書きました私が裁判にまで発展したケースは違約金の問題ではありません。

キャンセル不可の約款に抵触しているケースで、余りにも内容が酷い場合です。

混合しないようにご注意を!

 

 

追記

さすがに車や書類を預けた上でのキャンセルで、本当に実費に費用が買取店に発生している場合は逃げれません。

そもそも払わないと車も返してくれないでしょうが(笑)

そこはせめて違約金では無く実費の費用だけで済むように交渉しましょう。

それすら払わないでキャンセルとなれば、さすがに本社のお偉いさんまで出てきます。

法的にも100%あなたが負けますので、素直に払うもの払いましょう。

 

 

 

  

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執筆者:


  1. より:

    何度もコメント失礼致します。
    ブログ内を読ませていただき、問題が解決出来そうです。

    キャンセルしたいと話し結局最後は、署名の途中の契約書を向こうが持ち帰ってしまったので、
    キャンセル料等の話は不明のまま連絡がなく、今日に至っています。
    後日なにか送られてくるのかもしれませんが、送られてきたときは、また対応を考えたいと思います。

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車の売却 あまり言えないキャンセル違約金の実情

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