本日は把握しておいた方が良いちょっと重要なお話。
フルモデルチェンジの影響が予想以上な件についてお伝えしていきます。
まず当ブログをご覧になられている方は、割合として高リセール車に所有されている率も高いかと思います。
なのでその中でも、下記条件に当てはまる方はご注意下さい。
・3年経過、3万km時に70%以上の高リセール車種、グレードに乗っている方
・新車価格が300万以上の車に乗っている方
・新車購入から3年以内など、価値が高いまま売却をされようとしている方
これが全てというわけでは無いと思うんですけどね。
ただこの3点にガッツリ引っかかっている場合、本当にフルモデルチェンジを舐めてかかると危ないです。
予想以上の早さで価値が急落する可能性が出てきますので、今回は2台の国内需要最高峰レベル車種を例にどのくらいのタイミングで下落開始したのか。
下落が開始するとどうなってしまうのかを参考としてお伝えしていこうと思います。
参考例
【ハリアー】
フルモデルチェンジ予定:2020年5月予定
下落開始タイミング:やや違和感のある相場下落が確認され始めたのが2019年8月頃
フルモデルチェンジと下落開始ライミングの差:おおよそ9ヵ月くらい前から
下落ペース:4ヵ月で50万くらい
毎週データを確認していたわけではないものの、ご依頼などの仕事絡みで相場を見る度に「こんな安かったかな?」と思ったのが昨年の8月から9月以降。
そこからは一部のグレードではなく全体の相場下落が進んでいき、その影響は60型前期モデルの国内需要相場、海外輸出相場にまで影響を与える。
60型の過走行向け輸出価格は推定80万ほどダウン(それでも7年規制内なので超高輸出枠)
既に前型モデルの30型と60型の初期は、下位グレードほど市場価格200万未満まで下降して価格差がほぼ無くなってきており、60型の新型モデルというアドバンテージはもう無いものと思った方が良い。
逆算すればフルモデルチェンジ発生タイミングの9ヵ月くらい前から国内需要相場が急激に落ち始め、推定で毎月10万以上の下落が発生していたと思われる。
当初ほどの落ち方ではないものの現在進行形で下落は進んでいるため、どこら辺の価格で落ち着くかは不明。
もちろんいつ落ち着くかも不明である。
【ランドクルーザープラド】
フルモデルチェンジ予定:色々と情報はあるものの2020年夏~秋くらいの予定(延期の可能性も有り)
下落開始タイミング:このデータが切っ掛けかなと感じたのは2019年9月頃
フルモデルチェンジと下落開始ライミングの差:2020年の秋くらいという当時の噂から逆算すれば1年ほど前から
下落ペース:3ヵ月で現行後期モデルの全体平均が30万ほど(ダメージの大きいグレードだと50万くらい)
初動は推定ですが流通量の多い特定グレードの相場不調から。
相場よりも20~30万安い取引が目立つようになり始め、徐々にその相場に寄っていきながら相場下落をしていったように思える。
高額グレードほど下落が顕著で、逆に低グレードはまだそこまで下落が目立っていない(というより後期のTXのみがなぜか堅調)
後期だけでなく中期型でも高グレードは影響が強く、下落は後期の平均値とさほど変わらないこと(まだ200万以上の相場は維持)
150型前期に関しても輸出価格と国内需要の低下が強く、200万未満の取引が当たり前の相場になってきている。
多少落ち着いた感はあるものの下落は現在進行形。
高年式帯は国内需要がメインの下落なので、今後も過走行向けの輸出や低グレードも巻き込んだ大きな下落の波が来そうな雰囲気はある。
共通して言えること
上記2台の例で共通していることは国内需要が非常に高く、リセール値も現行モデルであれば70%は楽に超えていた車種であること。
どちらもそれなりに高額な部類の人気車で、かつステータス性を伴った車種であること。
そして一番大きなポイントがこれ。
フルモデルチェンジに対しての下落開始が想定以上に早く、かつ初動の下落が非常に大きいこと。
私自身ブログをやり始めるまでは、あくまで自動車売買のおまけ程度で付く知識だったのでボヤけた印象を持っていました。
フルモデルチェンジで大きく価値が下落するのは分かっているけど、大体下落開始するのは有名車で半年とかそこら辺くらい前かなーと。
ついでに下落ペースは意識して見守ったことはないけど、フルモデルチェンジに近づくほど大きくなってくるのかなーと。
ただ実際に接点が多い車種を意識してみれば上記の結果。
特に初動の下落が大きくそこから多少落ち着くという値動きは、今後も似たような条件の車が同じ道を辿る可能性もあるので把握しておいて損は無いと思います。
悩んでいるうちに20万下落。
気付けば40万下落。
このようなことが実際に起こっています。
下落が開始してしまったら
もしハイペースな下落が始まっていた場合。
焦って早々に動くか諦めて悟りを開くかの2択だと思いますけど、出遅れが大きいほど高額売却の難易度は跳ね上がりますので相当の覚悟はしておきましょう。
相場下落の流れとしては
①情報雑誌やネット情報など、それなりの権威(信用)があるところから具体的な情報が出てくると気にしている人は当然反応する
②その結果安くなる前に売却に向けて動く人が増えてくる
③並行して中古車を検討していた人は、値段の高い車ほど拘るので、時期型を待つ、価格が下がるのを待つといった動きになりやすくなる
④車屋の在庫が売れなくなってくるため、該当車種の仕入れも消極的になる
⑤供給>>需要の傾向がどんどん強くなる
こうなると
・買取店
2週間後の相場も分からない怖い状態であれば突っ込んだ買取をしようとは思わないので、安全ラインでの買取になりやすくなる
・中古車販売店
積極的に在庫にする意欲があまり無いので、在庫にして貰えそうなお店探しが困難になる
・専門店
特化している分情報も早いので、こちらも在庫にして貰える割合が大きく下がる(仕入れるにしても価値が下がってからと思うようになる)
・オークション代行
相場が不安定、かつ仕入れ側の総数が減るわけですから安く売れてしまうリスクも増す
このように売却の選択肢はどれを取っても厳しいものに早変わりします。
もちろんオークションで売れている以上は、一般ユーザーや業者が下落中でも一定数仕入れ、購入しているのは間違いありません。
なので通常時よりも高く売るのがどうしても大変になると思っておきましょう。
本気で高く売ろうと思う方ほど、買う側の塩対応が連発しますので難しさを痛感するはずです。
まとめ
というわけで上記2種並み、もしくは以上に国内需要が強く、ステータス性があるような高級人気車は本当に気を付けて下さいね。
特にこういうデータ取りをしてしまうとアルファードは相当早い気がしてなりませんので、半年前くらいに動いたのでは時既に遅しとなっている可能性が高いんじゃないかと思います(国内需要の低下なので輸出が粘っていれば別ですけどね)
正直回避策なんて余裕を持って早めに売るくらいしかありません。
切っ掛けとなるのはまず雑誌やネット情報なので、「具体的な情報」が出来てたらそろそろマズいと思うことがまず重要。
そこからは心理戦のスタートなので、真偽を見極めつつ極力余裕を持って動くようにしていきましょう。
出来ればもうちょっと乗りたい。
次の車の納車まではなんとかしたい。
多くの方はこう考えるわけですから、同じように動けばそれだけリスクが高まるということになります。
そして軽自動車や安価なコンパクトカーなんかは、こんな急激な下落でも発生した日には車の価値が半減するレベルになりますので、このような豪快な下落は発生しません。
ステータス性が少なく、足車として割り切っている層が多い。
これが逆に急落を防ぎますし安心にも繋がります。
なのでこういうのを考えるのめんどくさいなーと思えば、単価の安い車で初めからフルモデルチェンジのリスクを省くのも一つの手。
リスクがより高くなる後期型には手を出さない!と、斬新な発想で前期型のみのローテーションを組んでいくのも一つの手(現実的には中々難しそうだけど)
“超リセールの良い車”が“それなりにリセールの良い車”に変わるくらいなら問題無しとポジティブに捉えるのも一つの手。
乗り手の性格や環境も影響すると思いますから、こういった情報も一つの参考にして貰いながら今後の乗り換え計画を立てて頂ければと思います。
にーさん。
プラドとかの4〜5年落ちのとかも含めてコメントをされるとみなさんの為になるかな。と思いました。
ハリアーも30 系の2015年、60系の2015年のねじれ現象かと多角的に見られたこめもあると助かります。
んーもうちょっと詳しく書いてみますか。
ただプラドにしろハリアーにしろ、4~5年落ちくらいまでいくとどうしても仕事上の接点が減ってしまうので、データでこれくらい下がったではなく、なんとなくの記憶でたぶんこれくらい下がったよね?くらいの信ぴょう性になってしまうんですよね。
そこまで大きくズレることはないと思うんですけど、そこら辺ご了承頂ければと思います。
あ、ちなみにねじれ現象というのがよく理解出来ておりません!
にーさん
わかりづらい表現ですいません。私が思っているねじれ現象は、例えば、同じ年式(平成25年式など)で、30系ハリアーが60系ハリアーより買取が高い状態のことを言いたかったのです。
60系ハリアーが大幅に下落してる??のも影響していそうですが。。
プラドも120系と150系でねじれ(古い型の方が相場が高い)があったように記憶しています。
おぉーよくご存じでしたね。
かなり限定的な内容ですけど、確かに30型の方が60型より高いパターンはあります。
たぶんこれしか考えられないという原因が、7年規制の対象国が60型と30型で違うんでしょうね(60型は7年規制じゃない可能性も有り)
25年式の30型だけ高く、外れると50~100万くらい急落。
逆に60型は7年経過内なのに30型の7年経過と30~50万くらい輸出価格に差があるので、国内需要が落ちると7年経過内の30型よりも取引価格で負けるという具合です。
ちなみにプラドは逆転現象は無かったですよ。