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車の一括査定(同時刻査定)を利用する場合、その場の競りと一発提示どちらが良いの?

投稿日:2020年2月22日 更新日:

かなり頻度の高いご質問内容ですね。

本日は一括査定で同時に複数社を集めた場合。

 

金額の決定方法はその場の競り(プチオークション)と、名刺の裏に書くような一発提示のどちらが良いの?

 

という部分を詳しく解説していきます。

以前何かの記事内で簡単に解説したような気がしなくもないですがー・・・

今回は結論とその理由についてもしっかり解説していくので、興味のある方はご覧下さい。

 

 

一括査定(同時刻査定)とは

よくある一括査定登録に申し込み後、各社と個別に商談をするのではなく、同じ日付、日時に一斉に集めてしまう方法です。

一括査定という査定依頼を円滑にするシステムの中に、同時刻査定という選択肢があると思っておきましょう。

各社の営業力をある程度排除出来ますので、初心者や営業を掛けられるのは苦手という方ほど向いている売却スタイルになります。

 

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その場の競り(オークション)とは

同時刻に集まった買取業者が、その場であなたの車に対して値を付け、そして他社の金額を超えられるなら被せていきます。

スタートとなる金額が買取業者にとって許容範囲内であれば、任意に設定することも可能です。

 

スタート金額を例えば140万に設定すると

A社「とりあえず150万で」

B社「なら155万出します」

C社「158万!」

A社「159万!」

B社「えーい160万!!」

このように、同じ会社が複数回に渡って金額を提示、出せるなら上げていくというやり方ですね。

その場で金額が上がっていく臨場感から、好んでその場の競りを提案されるユーザーもいます。

 

 

一発提示とは

同時刻に集まった買取業者に対し、その後の上乗せや交渉はNGとする1度切りの金額提示を求める方法です。

一般的には各社が必ず持っている名刺の裏に出せる金額を書いて貰い、その場で一斉に公開というやり方をします。

競り方式と同じで、スタート(最低金額)を任意にユーザー側で指定することも可能です。

 

最低金額を例えば140万に設定すると、その金額を超えられる業者は具体的な金額を書きますので

A社「158万」

B社「160万」

C社「155万」

このようにあっさりと結果が分かるという寸法です。

人によっては面白みに欠けるかもしれませんが、短時間で結果が出るため同時刻査定の主流のやり方はこちらと思っておきましょう。

 

 

共通して言えること

どちらにも共通して言えることとして、ユーザー側は「その場で一番高い所に契約する」という覚悟を持って同時刻査定にで挑む必要があります。

もしあなたが単純な価格調査や、ただただ高い金額提示を持ち帰りたいという気持ちだけで上記の方法を取ろうとすると、残念ながらどこの業者もまともに取り合ってくれません。

 

それはあなたにとって都合の良い価格提示をするために来ているのではなく、車を買い取りに来ているからです。

 

この前提が分からず挑んだ場合、各社はまともな金額提示をせずに帰ります。

あなた自身も買取業者も、何も得られるものはありません。本当に何もです。

おまけにその後、気で売ろうと思ってももう各社は集まってくれませんので、単独交渉という難易度の高い売却方法を取っていかないといけなくなります(上記の売却方法と違って駆け引き塗れです)

やってもやらなくても変わらないではなく、「やることによって大きなハンデ」を背負うことになりますので、ご自身が考える最低ラインを通過すれば売るという覚悟が無ければ絶対にこの方法は取らないようにしましょう。

 

 

どちらの方法が高く売れやすいのか?

競り方式と一発提示方式。

 

どちらが高く売りやすいかは答えが決まっており、『一発提示方式』の方が金額は高くなります。

 

競り方式も一発提示方式も、一括査定登録後に同タイミングで買取業者を集めるという流れは同じ。

その場で売却の判断をするという点も同じ。

それなら期待値の高い一発提示方式を“必ず”選んでいきましょうというのが、本業の人間のアドバイスになります。

 

 

なぜ期待値が違うのか?

この記事の本題はここですかね。

今までも有料査定サービスフォロー版でご質問頂いていた方には結論優先の回答をしていたので、あまり根っこの理由については触れることがありませんでした。

 

なので競り方式にも実は興味がある・・・

 

なんて方は特にここから下をよくご覧ください。

やる気が失せると思いますから(笑)

 

 

まず非常に重要な前提として、参加した各買取店の営業マンが抱える『最大値買取価格』は、一発提示もその場の競り方式も同じ金額です。

与えられた金額を一気に出すか、小出ししていくか。

ここだけが一発提示と競り方式の違いになります。

 

たぶん競り方式が期待出来ると思われる方は、来ている営業マン自身に大きな決裁権があると勘違いしているか、与えられた金額が超えた時にその都度上と掛け合って金額が引き出せるかの確認を取ってくれると思っているかもしれません。

しかし営業マンが勝手に金額を決めて買うなんてよほど安い金額でも無ければ責任が取れないのであり得ませんし、与えられた金額を超過した時に追加で上に掛け合うということもしません。

前者は今までもブログ内で散々言っていることなので、特に競り方式で重要なのは後者ですね。

 

競り方式に期待が持てると思われる方の理想をイメージするとこんな感じだと思います。

 

参加した全社が高額な決裁権を可能とする幹部と共にスタンバイ。

 

開始と同時に上がっていく自分の車のお値段にワクワクしつつ

 

「うちさらに被せる予定なのでちょっと待ってください!」

 

なんて決裁者と電話している営業マンの姿にドキドキしたり

 

「A社がさらに被せて○○〇万です!いけますか!?」

 

なんて上司と相談している営業マンの姿にハラハラしたり・・・

 

その場のノリと、やる気と、負けられないという思いで本来は出ないような金額が出るかもしれない。

 

こんな展開を思い描いているかもしれません。

 

が、実際はこんな展開、少なくとも1000件以上は同時刻査定の場に混ざったり、部下の一括査定を見守りながら金額交渉したりしていましたけど1件もありません。

1件もです。

現実的には大手買取店が1件でも混ざったら絶対無理。

零細や小規模な買取店のみが集まれば、もしかしたら実現するかもねというレベルでこの展開に持っていくのは難しいでしょう。

 

その最大の要因、それは買取店の幹部はあなたの車1台にそこまでの時間と労力を割いてくれません。

常に真剣に考えてくれているのはそのお店の店長、責任者まで。

その上の決済を持つ偉い人達は、同じ時間帯で全国何十件と同時並行して行われている査定の決済対応や別の仕事をしたりしていますので、ズルズルと続くあなたの車の決済だけに対応するなんてことは無理なわけです。

他の案件が蔑ろになってしまいますからね。

なので基本1回決済確認をしたらそれで終わり。

だからこそ、上記でもお伝えした「一発提示」と「競り方式」の最大買取額は同じということになります。

 

ではその前提でそれぞれのやり方がどのような展開になるのか、具体的な例を上げて比較していきましょう。

 

・一発提示

A社が142万 B社が145万 C社が150万という最大買取額だった場合。

A社「142万」

B社「145万」

C社「150万」

 

このように名刺の裏に書かれるだけですので、これで結果が分かって終了。

あとはC社と契約するだけになります。

 

・競り方式

A社が142万 B社が145万 C社が150万という最大買取額だった場合。

A社「142万」

B社「145万」

C社「145.5万」

 

展開次第ですが、A社が早い段階でギブアップ。

スタート段階なまだしも切羽詰まった状況で10万単位の金額上乗せをするバカなんてまずいませんから、B社が145万を提示すれば結局はそこからの上乗せ額が乗るだけ。

150万ではなく145.5万や146万、B社よりC社が先に145万と提示してしまえば145万で決着が付く可能性も出てきます。

そしてどこも上乗せが無いのでこの金額で契約という流れですね。

 

お分かりいただけましたでしょうか?

 

競り方式というのは実際どこから出始めたやり方なのかは分かりません。

私自身が現役でほぼ毎日出張査定に行っていた頃からあるので、もう15年以上は前からこのやり方はあります。

 

上司から

 

「名刺の裏に書いて一発提示になるなら、せめてオークション(競り方式)に変更しろ」

 

こういう指示があって私はやっていましたので、指示するくらいに買取店有利な提示方法ということは把握しておきましょう。

そりゃ2番手の価格に合わせて車が買えるわけですからね。

1番手と2番手に10万以上の差が開いて、トップ取れたのに「やっべぇえええええええ!!!評価ミスしたかも(号泣)」って思う時なんて大概の買取店スタッフは経験があることですから、そういった事故防止も兼ねていると思って下さい。

 

 

まとめ

上記の内容から、競り方式が一発提示を上回る可能性はほぼ0%。

聞いた事も無いような小規模店舗だけが集まればもしかしたら理想の競り方式が実現可能かもしれませんが、そもそもとして大手買取店を全て排除している時点でその査定の期待値は低いので

 

『100%名刺の裏に金額を書いてもらう一発提示がユーザー側にとって有利』

 

このように思っておきましょう。

逆にこのパターンなら競り方式の方が・・・というのが無いので、ユーザー側にとっても楽な選択だと思います。

かなりご自分の営業力に自信のある人以外は上手く活用して高値売却目指してみて下さいね。

一発提示であれば各社の営業はほとんど封殺されたようなものですから、過去の私のような変態営業マンが混ざらなければ基本荒れることもなく平和に終わりますよ(最低ボーダーの設定が安過ぎると談〇にはなりやすいので注意)

一発提示をひっくり返す、過去一番極悪だなと感じた商談がコチラ

 

 

【カーセンサー】

売却を検討している方はこちらから。

高額売却に結び付きやすい地場企業や、車によっては県外の専門業者からも問い合わせが入ります。

極力聞いたことのある会社だけでなく、聞いたことの無い会社を選んで下さいね。

 

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【ズバット車買取比較.com】

こちらも地場企業の参加率が高い一括査定サイトです。

オークション転売が主体の会社では無く、自店に在庫として並べる会社を見つけられるかがポイント。

小規模店、地場企業の方が営業力が無い&自社販売率が高いので、話がスムーズなことが多いですよ。

 

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【かんたん車査定ガイド】

最大10社の査定が取れる一括査定です。

ただし最高額が分かるわけではありませんので、あくまで査定確保ツールとお考え下さい。

査定数が増えれば高額売却になりやすい在庫採用などのチャンスは広がります。

 

かんたん車査定ガイド

 

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  1. がたろう より:

    論理的で仰るとおりかと思いました
    公的機関では下限価格を定めての一発勝負なのがその証左でしょう
    そうすると売り切り価格が適切かどうかが重要ですね!(やる気のある買取業者ばかりあつまれば売切価格低過ぎてもMAXくるはずなので大丈夫んでしょうが、ヤバい価格くる可能性も微粒子レベルでありそうなので、、、)
    また査定サービス使わせていただきますので、よろしくお願いします

    • にー より:

      ほっほー公的機関も同じようなやり方なんですか。
      よく入札とかってやりますもんね。
      おっしゃる通り、最低ボーダー、下限価格、スタート価格と言い方は色々ありますけど、ご自身で定める「これ以上ならという金額」はものすごーーく重要です。
      ただ買う側はその重要性を理解していても、ユーザー側はほとんどの方が重要性を理解されていないと思います。
      変えるのが良いか悪いかは別として、各社が誘導すればすぐ金額って変えてくれますしね。
      ちなみに話すと長くなるので簡単にですが、最低ボーダーは安いとMAX金額自体が落ちやすくなりますよ。
      買取店はユーザー側の最低ボーダーを聞いてからMAX金額を決めますからね。
      かと言って高過ぎたら全社白旗で外で日向ぼっこしただけになるので、本気で挑む設定難易度はかなり高いと思っておきましょう。

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