車買取店の内情

【車の売却】世間話とクロージングの境界線

投稿日:2015年10月15日 更新日:

前回のブログ記事に近い内容ですが、これも非常に重要なため別記事として解説致します。

そもそもクロージングという言葉を聞いたことが無い方もいるかもしれませんので簡単な説明です。

 

クロージングとは一言で言ってしまえば「探り」です。

 

これも営業の世界では当たり前と言えば当たり前ですが、知らないとまんまと乗せられます。

誘導尋問にハマり自分の考えを暴露してしまうことになるわけです。

 

逆にお客様が営業マンだったりすると「あークロージング掛けられてるな・・・」と察しハマり辛くなります。

 

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ではどのような展開でこのクロージングを掛けられるかですが

 

基本的には前回記事の「アイスブレイク」、世間話と変わらないタイミングで入ります。

 

要は世間話の延長ですね。

 

 

一つ例を出しますと

状況:お客様の動機が引っ越しということで埼玉県から奈良県に行くことになった。

   駐車場の問題で2台を1台に減車するためお店にご来店。

 

「いやー奈良は大仏あっていいですよねー自分も修学旅行で行きましたわー!がははは!」

「あ、民家にも普通に鹿いるんですか?鹿!駄菓子屋に普通に鹿煎餅売ってるんですか?」

なんて本当にどうでもいい、これ以上無い位に下らない話をしています。

 

 

そしてここからです。

 

店「あ、ちなみに引っ越しってどうするんです?高いですよね引っ越しって!まさかトラック借りて自分達でですか?」

客「そうなんですよーほんと高い!でもうち転勤族で何回か引っ越ししてるんで、前お願いした業者に今回もお願いしようかと思って」

店「あーなるほどやっぱりそうですよねー手慣れたプロにお願いしないと冷蔵庫壊れたりしそうですしね!晩酌出来ませんな!がははは!!」

店「ちなみに引っ越しって埼玉から奈良だと実際どのくらいかかるもんなんです?私も転勤族なんて参考にしたいです!」

客「それがうち子供二人いるんで50万も掛かるんですよ!転勤なら会社から出たのになー自分の転職が理由なんでかなり痛いですよ!」

店「めっちゃでかいですねその出費!私は寂しい一人身なんで半分くらいで済むのかなぁ・・・」

 

はい以上です。

 

本当に一つの例ではありますが

 

これで四つのクロージングが完了しています。

 

さてどんなクロージングを掛けていたのか、少し考えてみましょう。

 

 

 

 

 

3

 

 

 

 

 

2

 

 

 

 

 

1

 

 

 

 

 

 

はい正解です。

 

一つ目

前回もお願いした会社に再度お願いをしていることから、金銭的には細かくない。

好まれればスムーズに話が進むタイプと判断。

 

二つ目

引っ越し業界にもある一括見積もりを利用していないことから、車の売却でも一括査定を行っていないだろうと当たりを付けている=他社願望が薄い。

 

三つ目

転勤では無く転職。それで引っ越し費用50万ということは売却のボーダーとして50万に据えてる可能性がある。

 

四つ目

自分で行わずプロにお願いをする点から個人売買に流れる可能性は極めて低い。

 

 

このような判断を中級営業マンはほどほどに、上級営業マンは瞬時に行っています。

 

これはあくまで「判断」しているだけであって「確信」ではありません。

このような「雑談」を繰り返し、より確信へと近づけ、お客様の質が即決に入るタイプなのかそうでないのかを探っているのです。

 

 

というのも例えば四つ目の個人売買を例に出しますが、ストレートに「個人売買の予定はありますか?」と聞かれると警戒心の強い人は構えます。

 

「え?何?そんな予定無かったけど個人売買した方がいいの?」

 

こんな発想を持たれたらたまったもんじゃありません。

自分で買取に対しての障害を作ってるだけのお間抜けさんです。

 

 

しかしこのように間接的な確認をしていくことによって、お客様は気付かずこちらの確認したい障害部分の確認が取れていくようになります。

これが上手いと下手とで後日お話しする「成約率」に大きく響いていき、実績に直結するわけです。

 

もちろんこういったスムーズなお客様側からの回答を得るためには、前回お話しした「アイスブレイク」がそれなりに完了していることが必須です。

 

熱い氷の壁を溶かしてない状態で話をしても、本心が出てこないorまたは嘘を付かれる可能性があるためクロージングも失敗し易くなります。

 

クロージングも目的は多様で金額面だけでの話ではありません。

もちろん買取のために金額は非常に重要な項目ですが、金額は折り合うのに今契約書を頂けないなんてケースは山ほどあります。

このような状態は買取店からしてみれば何の意味もありません。

 

まずは今買えるお客様なのかそうでないのか、その土台作りのためにこういったクロージングを掛けていると思ってください。

 

次回は金額のクロージングについて解説致します。

 

 

 

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