今回はちょっと早いですが、決算期に動かれた方はお疲れ様でしたということで、実際にあったカモさん事例をいくつかご紹介したいと思います。
今年の2~3月に私と私の周りで実際にあったことですので、今まで解説している内容がほとんどですし大丈夫だとは思いますけど、皆さんはこうならないように注意して下さいね。
ちょっと珍しいケースもご紹介しておきます。
※特定出来ないよう若干濁す部分は濁しています。
カモさん事例① 消費税
法人の顧客さんから法人さんをご紹介頂く。
車はオークション市場価格400万円台の某欧州車。
社長さんとのやり取りの中、紹介ということもあって駆け引きはあまりしたくなかったので
「紹介なので特別です」とオークションデータをそのまま見せる(普段は見せないので本当に特別)
見せながら「車は相場の上下幅が必ずあること」「こちらも商売なのでさすがに上の数値では買えないこと」を画面を見ながら解説。
するとお客さんから「ならこの辺が妥当なところか・・・」と具体的な金額の提案が入る。
「・・・・・・・そうなりますね」ということで、そのちょっと上の価格で無事合意。
相場よりも高めに売れたので60万くらい儲かる。
カモさん事例② 修復歴
査定依頼を受けた顧客さんのお宅で査定。
査定中に「一回横からバイクに突っ込まれた」という申告があったので、「あらら事故歴有りですか」とお返しする。
「そうなんだよ」とお返事があったので、申告に合わせて“修復歴として”算出。
その上でかなり踏み込んだ買取をする。
が、オークション出品してみれば結果は“修復歴無し”
頑張ったつもりがなぜか40万ほど儲かる。
カモさん事例③ 輸出底値
電話で査定依頼を受けた近所の新規お客さん宅で査定。
車は走行距離15万kmオーバーの車。
ディーラー下取り5万円。
この後2件別の業者が来るとのことだったので、商談を頑張る。超頑張る。
結果即決。
オークションにすぐ出したら60万ほど儲かる。
カモさん事例④ 紹介料
顧客さんの知人が海外転勤で車を手放すようで査定依頼。
顧客さんから「協力したら紹介料増える?」という提案があったので、「商売なので利益がしっかり出れば多少は増えます」というと、なぜか顧客さんも商談に混ざることになる。
そして顧客さんこちらが引くくらいに奮闘。
提示している金額は安いのに「俺が売った時はもう少し新しいのに断然安かったぞ」とか、全然車種が違うじゃん・・・と思いながらも後押しが凄い。
結果、こちらがあまりしゃべることなく無事成約。
オークションで売れた金額の3分の1を紹介料で上げるも、顧客さんも①の消費税を知らなかった。
最終的に40万くらい儲かる。
カモさん事例⑤ 余っている車
査定依頼を受けた新規のお客さん宅で。
目的の車を査定していると、同じ駐車場にシートを被った車があって凄く気になる。
聞いてみれば、趣味で買ったけどここ数年ほぼ乗っていないアメ車であることが判明。
本音で「カッコいい」「珍しい」「乗らないのに車検や税金が勿体ない」などと盛り上がっていると、いつのまにか「ちなみに今いくらくらいなの?」という話になる。
おやおや?と思いながら、「このご時世趣味の車は需要が細くて」と・・・
相場も不確定だったため言い訳をしながらまず間違いない安パイ価格を提示。
そこからすったもんだとありながら本来の車とセットで買い取る。
結果、おまけの車が90万ほど儲かる。
とまぁこのように、一例ではありますけど車屋は取れるところから利益を取り事業を成り立たせています。
このような利益が出た車もあれば、2万とか3万とかボランティアに近いレベルの利益しか取れない車もいっぱいあって(低単価車が多いけど)、結果的に10万円台が大体の平均利益になりますので・・・
自分は大丈夫だろうと、自信のある方以外は知識武装をして身を守って下さいね。
カモと後から分かればまだ良いものの、大半の方は自分がカモだったということに気付いていませんので。
特にコロナ絡みで当面の現金が必要という法人や個人さんがチラホラと出ているようですから、車を売るのは良いんですが焦って情報不足のまま突撃しないようご注意下さい。
このブログはあなたの財産を守る一助になって貰えればと思って作っていますので、知識不足だなと感じる方は時間の許す限り勉強していって貰えればと思います!
おまけ
ついでに今年遭遇した、こういう人は予備知識なんていらんかもねっていう“難敵”についてかなり軽くですけど触れておきます。
その難敵はディーラーの紹介から。
買取業界でいう抱き合わせ案件というやつの抱き合わせにされた側の人で、私は事前に金額が決まった『楽勝案件』と思ってその人のご自宅へ向かったわけです。
※抱き合わせ案件とは
ディーラーから回ってくる案件の中で、1台単体で利益勘定をするのではなく、次に入ってくる車とセットで利益勘定してくれという類の案件である。
その変わりに抱き合わせ用の案件を安くディーラー側でまとめてくれる。
要は抱き合わせにされた方は、知らず知らずのうちにディーラー側優良顧客の犠牲になっているという恐ろしいシステムである。
良くある実例会話
デ「今回だけはどうしても逃せないお客さんなんで何とか助けて下さい!その分次の車で利益しっかり補填しますんで!!」
買「えーしょうがないっすねぇ・・・約束っすよ?」
▽▽▽
そして普通に査定して普通に商談開始して。
この時点でこの案件は○○万円で買えると思っているので
「ディーラーの○○さんから聞いてますが引き渡し日は〇日で大丈夫ですか?」
「金額は車に難が無ければ○○万ならということで宜しいですか?」
等々、必要最低限のことを確認していったわけです。
商談10分くらいで終わるかなと思いながら。
しかし返ってきた返答は
「引き渡し日は〇日で大丈夫ですが、金額は○○万なら売る確約はしていませんよ?」
あっれぇ・・・・・・
聞いてた話と違うじゃねーかー・・・・・・・
おかしいなと思いながら、細かい部分を確認していったら
「確かに〇〇万ならまだ納得は出来るとお伝えしましたけど、その金額でこの場で売るとは言っていません」と。
この時点で「良く分からないけどディーラー営業マンハメられたやがったな!ちくしょー温い詰め方しやがって!!」と、私は激おこぷんぷん丸。
あとで文句言ってやろうと内心思いながらも、まだ楽観的に考えてよくある一般的な商談を開始したわけです。
が、なぜかこちらの思う展開に転がらない。
売る意志は見えるもののヒラヒラ躱されて本音がどこにあるか分かり辛く、おまけに理屈に対して理屈でガッツリ返される。
まるで同色の営業マンと意地の張り合いでロープレしているような錯覚に陥って、「もしかしてこの人買取店の元営業マンなん?」と感じる始末。
ただそれならディーラー紹介なんて罠ルート辿るわけないよなぁ・・・と、引き際の判断がブレながらも値段を上げつつ、あの手この手の説得を試みつつ、最終的にはこりゃあかんと私の心がポッキリ。
最初に買える案件と思って安い金額を提示したのが最大の仇となって惨敗したわけです。
最後はもうこの案件無理だなと悟ったので
「もう諦めたのでここからは本音で話しましょう。商談めちゃ上手いっすねww」
と伝えてから、やーーーっと本音っぽい内容が出てきて
『ディーラー紹介というものが有効なのか判別したかったこと』
『そのために曖昧な金額合意をディーラーに伝えたこと』
などが分かりました。
はぁー・・・と思いながら最後の最後に
「以前買取店で務めてました?営業職の方ですよね?」
って聞いたら
「いや、ずっとプログラマーですよw」
と言われた時の衝撃はかなりのものでしたね。
職種関係無く、天然で頭の回転早い人は早いし口も回るものだなーと。
このケースは入りの金額から失敗しているので土台がガタガタですが、頭の回転に自信があって何を言われても理路整然と切り返せるという方ならその場その場の対応もいけるんでしょう。
本音を隠して躱す(だけの)人はそれなりにいる。
ただ売る気を見せながら理屈を理屈で真っ当に返してくる人は体感1年に1人もいないので、それが自然と出来ればあとは相場感だけで大丈夫なんだろうねっていう、私がギャフンと言わされたお話でございました。
ためになるまとめ勉強になります!
最後の件、プログラマーは何となく理屈強そうですね、買えましたか?
理屈での言葉遊びをしてても売る側としても買取店さんに万歳ほなサイナラされてしまうと負けなので気になるところです笑
金額だけ引き上げての惨敗です(笑)
油断して安く伝えちゃうと後から金額を上げる口実がかなり無理やりになるので、追いかけてももう買えない案件になっちゃいますね。
だから捨て案件と割り切って最後に本音だけ聞いたって感じですが。
言葉遊びというかただ躱しているだけだと「この人はとにかく今は判断したくないんだな」と判断出来ます。
そうすると金額を引き上げても契約に結び付かないということに繋がるので、それこそほなサイナラ!土台出来たら本気だすわ!っていう引いた(やる気のない)状態になります。
ただ売る気はあるように見せつつ、営業トークに対しての切り返しがこちらも有る程度納得出来るような内容だったりすると判別が難しくなるんですよね。
それが商談の上手い人だと思っていますし、買う側の営業マンが騙され歩ターンかなとも思います。
いつも有益な情報をありがとうございます。
輸出底値は該当車種の記事もしくは有償サポートで把握できると考えればよろしいでしょうか?
いえいえ!
そうですね輸出底値は目安を知りたいということなら各専用記事をおご覧になって頂くのが一番です。
それであればお金かかりませんし、手早く複数の車種情報が得られると思いますので。
ただ時期の経過で変動している可能性がどうしてもあるのと、あくまで多少の変動が出ても目安になるよう記事内では大枠で「低輸出」や「中輸出」といったお伝えをしているので、具体的な底値が知りたい、今もちゃんと輸出該当しているのか知りたい、距離数や年式の境目が今どこら辺なのか把握したいなど、細かい情報が必要であればこちらでご希望の内容に合わせた調査も可能です。
その時は直接ご連絡頂ければ有料相談としてお見積りをさせて頂きます!