比較対象にもう一つの視点を加えようの第二弾。
〇年後のプリウスとアクアは、買取・査定価格にどれくらいの『具体的な差』が発生するのか!
を今回は調査していきます。
2019年上半期(1月~6月)
全国産普通車の中で1位のトヨタ(TOYOTA)プリウスと総合3位のトヨタ(TOYOTA)アクア。
燃費重視であればどちらも検討されている方は多いでしょうし、その中には価格重視のアクアか、広さと走りも加味したプリウスかなんて悩んでいる方もいるでしょう。
どうぞ、燃費や性能差などの表面上見えやすい違いの他に、一般の方には見え辛い数年後の価値も比較対象に加えて吟味してみて下さい。
今回は参考として、新車価格に対してどの程度の価値が残っているのかを示す残価率(リセール値)も載せておきます。
※当てにならないネット上の簡易相場比較システムではなく、車屋がガチでオートオークション市場データから相場を調べています。
プリウスとアクア 3年後の買取価格を比較
プリウスは2018年12月に、アクアは20176月にそれぞれマイナーチェンジが入っているため、どちらもマイナーチェンジ前の前期型(正確にはアクアは中期型)となります。
・プリウスの調査対象グレード
S(2WD)・・・当時の新車価格約248万円
・アクアの調査対象グレード
S(2WD)・・・当時の新車価格約189万円
プリウス | アクア | 買取価格の差 | |
3年経過、15000km時(年間5000kmペース) |
約160万円 残価率(リセール)64.5% |
約105万円 残価率(リセール)55.6% |
55万円
|
3年経過、30000km時(年間10000kmペース) |
約150万円 残価率(リセール)60.5% |
約100万円 残価率(リセール)52.9% |
50万円
|
3年経過、60000km時(年間20000kmペース) |
約140万円 残価率(リセール)56.5% |
約65万円 残価率(リセール)34.4% |
75万円
|
新車価格差は59万ほど。
日本人の平均距離数である年/10000kmペースであれば50万の買取価格差なので、単純なお金の損得で言えば差し引き9万円アクアがお得ということになります。
そして年/20000kmとハイペースで乗られる方の場合、逆転して16万プリウスがお得ということになりますね。
ここから値引き差があれば、ご自身の予定距離数に合わせて足し引きして下さい。
ただし残価率は全てプリウスの方が高いので、車の価値に対して残る割合でいえばプリウスが勝利ということになります。
そして参考としてもう一つ、新車価格が近いグレードでも比較をしてみます。
・プリウスの調査対象グレード
S(2WD)・・・当時の新車価格約248万円
・アクアの調査対象グレード
G G’s(2WD)・・・当時の新車価格約243万円
プリウス | アクア | 買取価格の差 | |
3年経過、15000km時(年間5000kmペース) |
約160万円 残価率(リセール)64.5% |
約160万円 残価率(リセール)65.8% |
0万円 |
3年経過、30000km時(年間10000kmペース) |
約150万円 残価率(リセール)60.5% |
約140万円 残価率(リセール)57.6% |
10万円 |
3年経過、60000km時(年間20000kmペース) |
約140万円 残価率(リセール)56.5% |
約120万円 残価率(リセール)49.4% |
20万円 |
新車価格差は5万ほど。
こちらは年/5000kmペースと少ない場合は双方の買取価格差がありませんので、5万安い分アクアの方がお得。
しかし年間予定距離数が多くなるほど、プリウスの方が金銭面、残価率共に有利になっていきます。
ここから値引き差があれば、ご自身の予定距離数に合わせて足し引きして下さい。
プリウスとアクア 5年後の買取価格を比較
プリウスは2015年12月にフルモデルチェンジで4代目プリウスが登場しているので、5年経過は前型の3代目後期。
アクアは最初のマイナーチェンジが2014年12月になるため、3年経過時調査と変わらず中期モデルとなります。
・プリウスの調査対象グレード
S(2WD)・・・当時の新車価格約239万円
・アクアの調査対象グレード
S(2WD)・・・当時の新車価格約189万円
プリウス | アクア | 買取価格の差 | |
5年経過、25000km時(年間5000kmペース) |
約110万円 残価率(リセール)46% |
約75万円 残価率(リセール)39.7% |
35万円 |
5年経過、50000km時(年間10000kmペース) |
約90万円 残価率(リセール)37.7% |
約60万円 残価率(リセール)31.7% |
30万円 |
5年経過、100000km時(年間20000kmペース) |
約60万円 残価率(リセール)25.1% |
約30万円 残価率(リセール)15.9% |
30万円 |
5年経過、150000km時(年間30000kmペース) |
約45万円 残価率(リセール)18.8% |
約20万円 残価率(リセール)10.6% |
25万円 |
新車価格差は50万ほど。
どの距離数帯で見てもアクアが新車価格差50万-買取価格の分だけ得となり、過走行になるほどその価格差は広がるため、ややアクアのお得度が強くなっていきます。
ただし残価率(リセール)の面で見れば、どの距離帯でもプリウスの方が勝っていますので、車の質を優先させるか金銭の得を優先させるかを天秤に掛ける必要がありますね。
ここから値引き差があれば、ご自身の予定距離数に合わせて足し引きして下さい。
プリウスとアクア 7年後の買取価格を比較
プリウスは2011年12月に3代目のマイナーチェンジをおこなっているので、7年経過は3代目の前期型モデル。
アクアは2011年12月からデビューとなるので、初期(前期)モデルとなります。
・プリウスの調査対象グレード
S(2WD)・・・当時の新車価格約220万円
・アクアの調査対象グレード
S(2WD)・・・当時の新車価格約179万円
プリウス | アクア | 買取価格の差 | |
7年経過、35000km時(年間5000kmペース) |
約80万円 残価率(リセール)36.4% |
約65万円 残価率(リセール)36.3% |
15万円 |
7年経過、70000km時(年間10000kmペース) |
約70万円 残価率(リセール)31.8% |
約50万円 残価率(リセール)27.9% |
20万円 |
7年経過、150000km時(年間20000km超ペース) |
約40万円 残価率(リセール)22.3% |
約20万円 残価率(リセール)11.2% |
20万円 |
新車価格差は41万ほど。
どの距離数帯で新車価格差41万を上回る価格差はついていないので、全般的にアクアの方がお得ということになります。
年/5000kmペースでそれなりの長期保有の場合、残価率もプリウスとアクアは同程度になっていますので、長く所有しつつあまり距離が伸びないという方ほどアクアを購入されるメリットは大きくなります。
ここから値引き差があれば、ご自身の予定距離数に合わせて足し引きして下さい。
プリウスとアクア 0年後の買取価格を比較(おまけ)
こちらは売却の目安というよりは『対未使用車比較用』です。
それぞれ令和元年登録未使用車の取引数値、残価率(リセール)を残しておきます。
どちらも現行モデルになりますので、新車ではなく未使用車を狙っている方は参考にして下さい。
・プリウスの調査対象グレード
Sツーリングセレクション(2WD)・・・新車価格約278万円
・アクアの調査対象グレード
Sスタイルブラック(2WD)・・・新車価格約205万円(特別仕様車)
プリウス | アクア | 買取価格の差 | |
0年経過、0km時 |
約237万円 残価率(リセール)85.2% |
約175万円 残価率(リセール)85.4% |
62万円 |
残価率(リセール)はほぼ同数値。
なのでどちらが極端に得ということはありませんが、値引きがやや渋いのはプリウス。
そして残価率が同率であれば、新車価格と未使用車価格の開きが大きいのはプリウスとなりますので、プリウスの方が未使用車狙いに適していると言えます。
まとめ
えー如何でしたでしょうか?
というか・・・見てすんなり理解出来ましたでしょうか?
今回残価率(リセール)も混ぜてしまったので、あまり良く分かっていない方がサラッと流し読みして理解できる内容じゃない気がするー!と・・・
作りながらこの2種を選んだことに後悔しておりました。
ただ今回のように車格の違う、新車価格に結構な差がある車同士で比較する場合、どうしても実質損失額と残価率(リセール)という二つの視点で解説していかないとマズいので、敢えて分かり辛いかもしれませんが残価率も載せた次第であります。
実質損失額:実際に損をする金額
残価率(リセール):新車価格に対しての価値の残り具合
簡潔にご説明すればこの通りなので、実際に損しそうな金額を減らしていくか、車の満足度も優先しつつ可能な限り損を減らしているか。
この二つのどちらがご自身の車選びに向いているのかを少し考えないといけません。
車に限らず基本は価格が高いほど高性能、高機能となりますので、今回で言えば平均200万強くらいのアクアと平均300万くらいのプリウス。
どちらが車の質として上かとなればプリウスになりますし、ここに疑問を感じる方はほぼいないと思います。
ブランド力に違いのある他メーカー比較ではなく、同じトヨタ車同士の比較ですしね。
新車価格が200万円の車で3年後、30000kmになった時に残価率(リセール)が60%であれば、その時の価値は120万円。
つまり損をする金額は80万円。
対して新車価格が100万円の車で3年後、30000kmになった時に残価率(リセール)が40%であれば、その時の価値は40万円。
つまり損をする金額は60万円。
実質の損失額で見れば100万円の後者の方が20万円得。
だからお金が最大限得する選択を選んでいこうというのも一つの考え方ですし
スタート時にあった100万円の差が80万円に縮まってしまう(これが残価率の差)
なら車の満足度も優先しながら可能な限り損を減らしていこう。
これも一つの考え方になります。
どちらが正解というのはないので、実質損失額を優先されたいなら価格の安い車を選ばれた方が得になりやすいでしょうし、バランスを取りたい方は気になる車種同士で残価率(リセール)を見比べれば答えも出やすくなります。
そして購入前に一度、年間どれくらいのペースで乗りそうなのか、何年くらい乗りそうなのか。
行き当たりばったりではなく、多少でも良いので計画性を持たれるとより金銭的なメリットは発生しやすくなりますね。
今回はプリウスVSアクアでしたので上記データを基にすれば、一番最悪なのは年/20000km以上のペースなのにアクアを選び、そして3年後に手放すパターンでしょう。
わざわざ車格を落として安い車を選んだのに、60万高くその分高性能、燃費もほぼ同程度のプリウスの方が60万以上高く売れてしまうわけです。
それを事前に分かっていれば、それなら高性能でもっと高く売れるプリウス買うよと・・・
よほどの事情が無い限りは大半がそう思われると思います。
でも実際に市場データを見てみると、燃費の良い車ということもあって年間20000km、30000kmというペースで乗ったアクアを3年前後で手放す方はビックリするくらい大量にいます。
そしてそういった方々は「アクアの方が自動車税安いしな・・・(年間で5000円程度だけど)」とか、結構地味な理由で選んでいたりします(自動車税で判断する人は経験上凄く多いです)
どちらも日本でトップ3に入る、それこそ売れまくっている車です。
毎月、日本全国で10000台以上誰かが新車を買っています。
その中には明らかに失敗ルートを辿っている方々もいっぱいいると思いますから・・・
ぜひ購入時には別の視点。
「売る時のことを少し想定してみる」
ということも考えてみてくださいね。
残価率(リセール)にそこまで大きな違いがなくても、自動車税の差なんか可愛いレベルの差が発生する可能性もありますから、特に過走行予定の方はご注意頂ければと思います。
それぞれのより細かい情報はコチラから。
〇年後の買取価格第一弾はコチラ。
※上記車の価値は2019年11月時点での相場となります。程度が良く簡素な装備の車両を中心に、カラーを「パールか黒」に限定して調査しております。どなたにも当てはまるわけではありませんのでその点はご注意下さい(他カラーだともっと価値が下がります)
【カーセンサー】
売却を検討している方はこちらから。
高額売却に結び付きやすい地場企業や、車によっては県外の専門業者からも問い合わせが入ります。
極力聞いたことのある会社だけでなく、聞いたことの無い会社を選んで下さいね。
【ズバット車買取比較.com】
こちらも地場企業の参加率が高い一括査定サイトです。
オークション転売が主体の会社では無く、自店に在庫として並べる会社を見つけられるかがポイント。
小規模店、地場企業の方が営業力が無い&自社販売率が高いので、話がスムーズなことが多いですよ。
【かんたん車査定ガイド】
最大10社の査定が取れる一括査定です。
ただし最高額が分かるわけではありませんので、あくまで査定確保ツールとお考え下さい。
査定数が増えれば高額売却になりやすい在庫採用などのチャンスは広がります。
ご苦労様です。
ここまで乗り代(のりしろ)の説明をしてくださる丁寧な管理人様がいるとは
同じ10%でも100万と1000万の車両では大違いになりますねぇ。高額車程乗り代は悪くなりますし。
LXを例えるなら乗り代1年乗って90%でも150万程損失出ますからね。
ほしい車の乗り代と値引きで満足できれば次も買いやすいのですがねぇ。