この話題は車の買取店というより営業全般に言えることなんですかね?
他の業種は詳しいこと分かりませんが、皆さん聞いたことくらいはあると思います。
その名も「カラ電!!」
一応意味が分かんねーって方のために簡単に解説を。
カラ電とは・・・さもお客様が得になる電話をしているかのように見せかけておいて、相手は誰もいなかったり時報だったりと架空の相手に一人でしゃべる営業マンの得意技である。
まさに・・・一人子芝居!!役者である!!!!
いや、褒めているわけじゃないんですけどね。
ではこのカラ電、車の買取業界ではあるのかどうかですが・・・
あります!!!
というか恥ずかしながら私も現役時代はしてましたカラ電。
しかもかなりの頻度で。
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特徴としては「お客様に聞かせたい電話」のため、必ずお客様の近くで、もしくは聞こえる範囲で電話をします。
本当に店長や上の人間に交渉したい時は、お客様がいないところでするものですので。
では実際の利用例をいくつか書きます。
こんなパターンになったら危険です。
ハマらないように注意しましょう。
一人子芝居その①
「あ、お疲れ様です○○です。今査定しているオデッセイの金額のご相談だったんですがよろしいでしょうか?」
「ありがとうございます。それでですね、今お客様から100万円にならないかと言われてしまいまして・・・はい、車のお預かりは30日です。」
「そうです。すいません厳しいのは分かっています。でも綺麗ですしどうしても欲しくて何とかお願い出来ないでしょうか?」
「はい・・・はい・・・う・・・97万ですか・・・いや・・・はい・・・分かってます・・・はい。分かりました聞いてみます」
「お客さん。すいません今店長になんとかと交渉してたんですが・・・どうしても100万が厳しいみたいで97万でなんとかお願いしますと!!」
「なんとかお願い出来ませんか!!!本当に高いんですこの金額!!」
「うぅ・・・せめて98万ですか・・・ちょっと待ってください・・・」
「店長!!!すいませんどうしても98万とお客様が!!!・・・すいません分かってます!・・・え?スペアキーですか?確認してみます!」
「お客さん!この車のスペアキー持ってないですか!?」
「店長!!!!あるそうです!!本当になんとかお願いします!!・・・はいすいませんありがとうございます!!!!また連絡します!!」
はいこんな感じです。
頑張った感出てますよね。
まぁ役者として出しているわけですからね。
では実際この車の相場が120万くらいだったら?
120万くらいだから110万までだったら買っていいよとすでに決済の確認を取っていたら?
以前記事にしたお得感を与える方法を読んだことがないor忘れてしまった方は読んで見て下さい。
過去記事 営業マンが作るお得感とは?
このカラ電のいやらしいところは
①真横で頑張ったらフリをされる=良い印象を持ちやすいし断り辛い=契約してしまいやすい
②価格交渉を営業マンじゃなくさらにその上の上司とやっているように感じる=お得感が出やすい=契約してしまいやすい
このような効果が生まれます。
もちろん営業側は無鉄砲にこんなことはしません。
主に詰めの作業として、100万で買い取れるのが分かった上でさらに価格交渉をするためにカラ電を使用しています。
買うだけでは満足せず、さらなる利益と顧客満足度を得たい中~上級営業マンが使用する方法です。
一人子芝居その②
「もしもし~お世話様です○○○の○○です。すいませ~ん先ほどお話ししたオデッセイの件なんですけど社長よろしいですか?」
「あ、社長!度々すいません業販依頼していた○○ですお世話様です!それでオデッセイなんですけどデータ見て貰いましたか?」
「そうですそうです!ご要望の装備とは若干違いますが、程度もいいですしかなり良いと思うんですよ!」
「そうですね確かにナビは社外品ですが・・・えぇえぇ・・・はい・・・お客様の希望は100万円なんですよ・・・」
「うーんそこまではさすがに厳しいですようちもこれ以上削るのは難しいですし・・・はい・・・分かりました一応聞いてみますので少々お待ち下さい」
「お客さん!欲しいと言っている先方さんが仕入れ値95万だったらなんとかとは言ってくれてます。直接販売するので通常の値段よりはだいぶ高いです。」
「そうですか・・・やはり100万じゃないと厳しいですか・・・ちょっと待ってくださいね今繋がったままなので!」
「あ、社長お待たせしてすいません。金額なんですがやはり100万じゃないとどうしてもということで・・・えぇ・・・納期ですか?ちょっと待って下さいね」
「お客さん!お預かり出来るのは30日でお間違いないんですよね?今先方さんから確認が入りまして。それで100万ならもうお話しブレないですよね?」
「あ~すいません社長!はい30日にこちらでお預かりなんで、金額さえ出して頂ければ3日にはお届けできます!」
「社長!!今返答頂かないとまだ他社さんの予定とかもあるんでお渡し出来なくなるかもしれないですよ?・・・えぇ。はい。」
「分かりました。では僕もせっかくならなんとかしたいんで、社長のとこまで自分で運びますよ!これならいいですよね?はい・・・はい!ありがとうございます!」
「お客さん!先方さんも私が車を自分で運べばOKとのことなのでこれで話進めさせて頂きます!!ありがとうございます!!」
このパターンは架空の直接販売を装ったカラ電ですね。
これもお得感と即決を促すために非常によくあります。
特徴としては
①最後の値段のクロージングを手っ取り早く行える(100万が本当に下限なのかの探り)
②リアルタイムに話すためスムーズに返答が引っ張り出せる。
③買う人がいるという設定のためお得感が出やすい。
④相手に渡すことが前提のためキャンセル防止にもなる。
こんなとこでしょうか。
実際にこの作業を行うと「お客さんがいる」という効果は凄まじく、その内容がリアルであればあるほど信憑性も増し話が進みます。
だからこそワンポイント加えているわけです。
ナビは社外品ですが・・・
この部分ですね。
心理的に「あなたの車にピッタリはまるお客さんがいるんです」より
「ここだけ欲しいお客さんのご要望とズレますが、金額と説得次第ではなんとなる可能性がある」
この方が信用して貰えますし、よりリアルになります。
普通の車なのになんでもピッタリなんてちょっと嘘臭いですからね(笑)
おまけにちょっと要望とズレるから値段もこのくらいと言われました・・・と落とした値段をスムーズに伝えることが出来るのでクロージングもしやすい。
これも中~上級営業マンがよく使う手法ですが、上級になればなるほど自然に違和感無くこの作業を行います。
敢えて席は外しつつも、多少声が聞こえる範囲でしゃべるなど小技を使ってきますので。
そしてユーザーがこのカラ電に気付けるかどうか、ここがポイントです。
実際必死になって店長にお願いしている初級~中級営業マンもいっぱいいます。
下手な営業マンは考えも無しにユーザーの真横で店長に電話して、返答し辛い内容に困ったりしてますからね。
横で聞いている限りはよほど嘘臭いカラ電をしてない限り、ユーザー側は区別が付かないでしょう。
では肝心のどうやって判別するかですが
カラ電の使用タイミングは「決まりそう、もしくは決まる案件の最後のツメ」で行います。
要はあなたが口にしている具体的な売りたい金額が、買取店側の買える金額の範疇に入っている。
しかも本格的な交渉をしなくても買えるくらいの金額になっている可能性が極めて高いです。
だからこそカラ電を使用し、あなたの逃げ道を塞ぎつつ、再度念押しの売却確認を取りつつ、話を確定事項に持っていきます。
ということは・・・
営業マンが真横で、もしくは少し離れたところで電話をしている。声は聞こえてくる。
その内容が上記の例のような内容となったら一回商談をストップすることをお勧めします。
「一回冷静になって考えたい」とでも言っておけばいいのです。
電話をしている最中に営業マンに言ってあげて下さい。
そっと耳元で。
カラ電ならあっという間に電話を切るはずです。
相手がいませんからね。
そしてなんだ急に!?と思いながら再度説得に掛かります。
逆に本当の電話ならなかなか電話は切れません。
その後もごにょごにょと話しています。
「店長~急にお客さんが売らないって言ってます;;」
「はぁ!?バカヤロー!!話がちげーじゃねーか!!!」
こんな会話してますから(笑)
100%の判別とはいきませんが、こういった判別をした上で本当の電話なんだ。
この人は本当に頑張ってるんだなと分かったら、売る選択を作ればいいと思います。
①のパターンで会社の上の人間としゃべっているようなら
「直接お話ししたいので変わってください」
でもいいですけどね。
カラ電なら営業マン半べそです。
私が過去に半べそになりましたので。
営業マンは本来店長などの上司との会話は聞かれたくないものです。
店長とのやり取りはレビューと言いますが、商談に慣れている店長がスタッフの商談内容を確認し、間違った方向に進んでいないか、買えない理由に対しての改善策は何があるのか、そのユーザーに対していくらで金を伝えるかなどを店長が考えています。
出来ない営業マンほど説教染みたレビューになるため、普通なら無様な姿は晒したくないものです。
だからこそ・・・
敢えてその姿を晒そうとする営業マンは何がしたいのか考えてみましょう。
それが答えですよ。