車を手放す際には必ず名義変更、もしくはナンバーを返納するための書類が必要です。
この書類が準備出来ないと車自体はただの鉄の塊となり、本来は価値ある車でもなーんの価値も生まれません(一部金融車なる流通があるにはありますが・・・)
前回記事にした所有権付きの場合はこの名義変更に必要な書類が出せないこともあるため、そもそもの手放しが出来ないケースをご紹介しましたが、ご自身の名義の車であれば基本的にいつでもどこでも好きなタイミングで手放すことが可能です。
ただ車を売る理由は人それぞれ。
普通の乗り換えなどならいいですが
急遽お金が必要になって・・・
なんていう場合に車を売却しに行っても、必要な書類が揃ってなければお金は手元に入ってきません。
なので応用編まで把握する必要はありませんが、基礎の基礎くらいは知っておいて損はありませんので覚えておきましょう!
こういった必要書類は何が必要というサイトは多数ありますけど、本当に必要な物、またその書類の中で買取店など引取り先はどこを見ているかを具体的に記載しておきます。
なお、普通車と軽自動車ではまったく扱いが異なりますので分けて書きますね。
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普通車
普通車の場合、財産としての扱いとなるため公的書類が必要となります。
同等な扱い:自宅、土地など
・車検証 (もちろん原本です!)
・自賠責証明書 (車台番号の一致、車検満了期間を満たした有効日数が必要、名義は厳密にいえば誰でもいいです)
・委任状 (実印)
・譲渡証明書 (実印)
・印鑑証明書 (有効期限は3カ月ですが、1カ月以内に取得した物でないとNGになるケースがあるので注意)
・納税証明書 (最新の物:その年の5月末日以降の手放しであれば納付済みの最新の物が必要)
・リサイクル券 (緑色の用紙:無くてもネットからプリントアウト可能:未払いの場合はありません)
これが基本の必要書類です。
印鑑証明の期日は以前ご説明したオークション出品を前提とした場合、オークションのルール上、名義変更期間が成約日の翌月末まであるため、一定期間有効な印鑑証明が求められることが多々あります。
そしてここからはご自身の状況に合わせて追加で必要となりますので、今の状況に当て嵌めてみて下さい。
なお住所に関してはあくまで引っ越した経緯ではなく住民票を移した経緯です。
勘違いをし易い部分なので注意しましょう。
(単身赴任などで引っ越しはしたけど住民票はそのまま残してたといったケースは移動していないのと同じです)
まず車検証を確認。
次に取得した印鑑証明書を確認。
所有者が本人の場合はそのまま所有者欄を、所有権付きの場合は使用者欄を見比べましょう。
車検証の住所、名前が印鑑証明書の内容と同一 ⇒ 基本書類でOK
↓
結婚、離婚により姓が違う ⇒ 戸籍謄本(抄本)を取得
↓
住所が違う・・・住所を移したのは1回だけだ ⇒ 住民票を今住んでいる市町村役場で取得
↓
いやいや2回住所を移している ⇒ さらに住民票除票を前市町村役場で取得
↓
いやいやいや、3回以上移している ⇒ 戸籍の附票を本籍地で取得
↓
おい!まだ住所が繋がらないぞ! ⇒ 最終奥義! 理由書
フローチャートにしても分かり辛いですね(笑)
はっきり言ってこの住所移動に伴う書類は、移動回数が多いと非常に複雑です。
買取店でも経験が浅いスタッフだと平気で答えを間違えます。
なので文にすると長いですが一応補足説明しておきます。
まず1回だけの住所移動であればなんの問題もありません。
印鑑証明書と一緒に住民票も取ってしまえばそれでOKです。はいラクチン!
問題はここから。
2回移動をした場合、同じ市内なら住民票だけでもOKです。
役所でどこの住所を載せたいかという記載欄があると思いますので、載せるように話してみて下さい。横棒を引かれた上で載るはずです。
ただし場所によってはある自動交付機は使用しない方がいいです。
融通が利きませんので簡略化されて望む住所が出ないことが多々あります。
そしてこれが他の市、または県になるとめんどくさくなっていきます。
住民票の除票という抜けたことを証明するための書類が必要になるわけですが、これは今住んでいる市町村ではなく、その前の市町村で取得しないといけません。
つまりそこに行くか、郵送での取得手続きをしないといけないわけです。
隣の市くらいならまだ余裕ですが、転勤族で県をまたぐお仕事をされている方などもう顔が引き攣ります。
えぇぇぇ・・・って。
ちなみに郵送の場合は郵便局で定額小為替を購入し、約1~2週間程で自宅に届きます。
早急に現金化したい人にとってはかなり痛手となる日数なので、事前に動ける人は動いた方がいい部分でしょうね。
そして3回以上の移動。
これは説明する方も頭を抱えます。
かなり面倒です(笑)
やり方は二つですが、先ほどの住民票の除票を移動の経緯に合わせてそれぞれの市町村から取得する方法。
ただし市町村は手書き保管からコンピューター管理に移行したこともあり、個人情報の保存期間が存在します。
目安5年を超えるとデータがありませんと言われる可能性があるので注意です。
そしてもう1つの方法は本籍地で戸籍の附票を取得する方法。
これは手書きのため、高確率で全部の住所履歴が載ってきますのでやり方としてはこちらがお勧めです。
ちなみに2回住所移動の方も、わざわざ住民票の除票を郵送手続きしなくてもこの方法でも住所が繋がりますので、下の例のようなケースであれば戸籍の附票を取ってしまった方が楽です。
【例】
東京都千代田区に住んでいる時に車を購入。その後兵庫県神戸市へ移動、その後北海道札幌市へまた移動。本籍は元から北海道札幌市。
(住民票の除票だと神戸市で住民票の除票を取得して千代田区の住所を繋げるようにしますが、戸籍の附票だと札幌市で印鑑証明書と一緒に戸籍の附票を取っちゃえばOK)
しかし戸籍の附票には罠があります。
それは結婚や離婚などで籍を変えると、変えた後の履歴しか出せません。
先ほどの例で言えば、神戸市で結婚して籍なんか抜けてたりすると千代田区の住所は出てこなくなります。
こうなると住民票の除票でいくしかないわけです。
そして車は人によっては15年20年と乗ります。
先ほどの例に合わせてお話しをすると、結婚で籍も抜け、神戸市から北海道の引っ越しは10年も前の話・・・こうなるともう絶望的です。
まず住所は公的書類で繋がりません。
一応改正原戸籍でさらに深く潜るという方法が無いことも無いですが、そこまで車の名義変更では求められませんのでここから最終手段です。
奥義! 理由書!!
この書類はどうにも住所が繋がらない人のための救済措置となる書類です。
あなたが購入時から現在に至るまでの移動の経緯を手書きで細かく書きます。
そして実印を押せばあら不思議。
名義変更書類に早変わりです。
もちろん簡単にこれを使用しないよう、名義変更を行う陸運局では集められる書類を集めた上での最終手段として使用することを前提としています。
集めるのが面倒臭いからといきなり住民票の除票も戸籍の附票も無しに理由書を使用しても意味はありませんからね。
本来車検証は住所が変更される度に住民票と一緒に変更して下さいねがルールですから!(ほとんど守られてませんが)
あまり住所移動の経緯を溜め込まないようにしていくとより売却がスムーズとなります。
転勤など住所移動が無いのが一番なんですけどね~!!
あ、長くなり過ぎたので軽自動車編はまた次回に(笑)