買取店に車を売りに行くと、特に大手は受付票のようなものを書かせられると思います。
名前や住所、連絡先はもちろん、どんな理由があって来たのか。
自分の車をアピールする枠があったり、何の広告媒体を見て来店したのか選択したり・・・
そして大体はある
ご希望額はおいくら?
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実際やってる側からするとこの項目、ちゃんと書く人は3割くらいですかね。
残りの7割くらいは
空欄の人
高ければ高い程 と書く人
他社より高くと書く人
書く金額は自由なのでいくらで書いてもいいわけですが、この部分、買取店の営業マンは凄い意識しています。
当然ですよねー買えるかどうかの一番のポイントですから。
金額じゃない書き方でもその人の性格、他社情報などを分析しているわけです。
ではどんな書き方が正解で高価買取になりやすいのか。
またどんな書き方をすると失敗し、安い売却になっていくのか。
以前記事にした 商談は心理戦である がここに顕著に表れますので解説していこうと思います。
本音の部分を書いておりますので、気分を害される方もいると思います。
覚悟を持って読んで下さい(ためにはなります)
まず希望額を具体的に書く場合。
パターンとしては
本来の相場よりも安い。
本来の相場とピッタリか、かなり近いけどちょっと高い金額
本来の相場よりもかなり高い金額
まずこの3パターンに分かれます。
本来の相場よりも安い金額を書いちゃう人は・・・
皆さんご想像の通り、やはりカモにされてしまいます。
仮に本来100万円前後の相場の車に50万と希望を書くとどうなるか。
良心的な会社が
「50万なんてとんでもない!もっと付きますよ!90万!」
なんて言うでしょうか・・・?
残念ながら絶対に言いません!
50万が高いというクロージングを掛けてもっと値段を下げようとします。
希望額そのままに話を進めると以前記事にしたような結果になってしまいますので。
当たり前ですがこれがユーザー側が一番やってはいけないパターンです。
では逆にかなり高い金額を足元を見られないようにと書いてみたらどうなるでしょう?
実はこれもカモにされやすいパターンとなります。
というのも買取店は希望額を見て
他の買取店に既に行っているお客様かどうかを一番意識して判別しようとしています。
もちろんそれ以外の世間話も含めたクロージングで重ねて確認を行いますけどね。
ただこの希望額で判断するのが一番手っ取り早いんです。
そうすると安い金額はもちろんですが、やたらと高い金額。
例えば店頭の売値と同等か限りなく近い金額なんかを書くと
あぁ・・・この世間知らずな金額を書いている時点でまだ他の買取店に行ってないんだな・・・
と、想像するわけです。
他店で100万くらいの買取金額と言われた車を、150万で別のところなら買ってくれるかもなんてなかなか思わないですよね?
中にはそんな羨ましいくらいの図太い神経の方がいて騙されることもありますが、普通は他店で100万なら100万~120万くらい付けばー!となります。
よってかなり高い希望額を書く人=願望だけで他店情報が無い=その相場観さえ崩せば楽。
こうなります。
では本来の相場とピッタリだったり、かなり近いけどちょっと高い金額の場合はどうでしょう?
素で何も分からず書いた金額がたまたまそうなったっていうこともあると思いますが、まず買取店スタッフはこう思います。
「なんてリアルな金額・・・これは他店に行っている可能性が高いな」
そして次にこう思います。
「下手に安い金額の話をしたら引かれるかもしれない。慎重にいこう」と・・・
これが心理戦です。
営業を相手にする場合は基本なんでもそうだと思いますが、相応の相場感、情報を持っていることが分かると相手は勝手に慎重になります。
慎重になるということは、ぼったくられる心配が軽減されるということです。
逆にこの人は無知なカモだなと思われたら勝負を掛けられます。
利益重視の買い方、売り方をされるということですね。
では次に金額を書かなかった場合はどうなのか。
上記のように
空欄の人
高ければ高い程 と書く人
他社より高くと書く人
と、このようなパターンに分かれます。
そしてこの中にやってはいけないパターンがあるわけですが、どれか分かりますか?
はい正解。
2番目の高ければ高い程。
これを書く人は結構いますが、経験上書かない方がいいです。
まずこの内容を書く人は
相場が分からないけど高くしたい=買取店に行ってない
このパターンが多いです。
もちろん他社数社を廻った上で情報を表に出したくなくて書く人もいます。
どちらにしても思うことは
具体的な情報を明かさない慎重でいやらしいタイプと営業マンは判断します。
そして買取店からしてみれば、高ければ高い程なんてのは初めから分かっているわけです。
そりゃそうですよねーと苦笑されながら心の中では、「その上での希望額聞いてんだろうがっ!」と思われています。
要はあまり営業マンに良い印象を与えないわけですね。
当然買取店は真逆で安ければ安いほど良いわけですから、私がいた会社の人間は皆この「高ければ高い程」と書いたお客様には
もの凄い安い金額を伝えてました。
そして満面の笑みで
「具体的な金額が分からないため、あくまでこちらが欲しい金額をお伝えしました^^」
と、一回どん引きさせるようなことをわざとやるわけです。
この内容はブログを見ている人がどん引いてそうな感じがしますが、あくまでこれも心理戦。
一回怒らせて本音を引き出すわけです。
良い手法ではありませんが、慎重で冷静な人より怒った人の方が本音が出ますからね。
後はその勢いのまま帰られないように優しくフォローするだけです。
良い子は真似しないように!(笑)
あとは3番目の他社より高くの場合、他社に行ったことをニュアンスとして伝えているので効果的です。
当然既に何社かで金額が出ていることを前提に商談が進みます。
といっても根堀葉堀詳細を聞かれますけどね・・・
いつ行ったのか
いくらだったのか
どんな条件だったのか
ある程度情報開示をしないと2番目のように感情を一度逆なでして聞き出す方法に変わったりします。
空欄は・・・まぁ何も分からないわけですから通常のクロージングから探る作業が入るだけです。
一番率も多いですし、警戒していることは買取店も分かっていますから特に何も思いません。
ではどのように書くのがいいかですが、本来であればその車の単価にもよりますけど、相場の5万~15万くらい上の金額を具体的に書くのがベストです。
具体的な金額を書くことによって売る気があることを意識させますから、買取店のやる気が変わります。
買取店のやる気が変わるとどう結果が変わるかは以前の記事でも見て下さい(笑)
また相場よりも多少上の金額のため、買取店にすでに行っていることを意識させることも出来ますし、かといって大きく離れているわけでも無いのでリアルな感じになります。
会社によっては自店在庫など通常のオークション流しよりは高い方法が取れるか真剣に考えたりしますね。
ただ!
問題なのはそのリアルな相場が分からないと希望額の書きようがないというところ。
これが一番の問題です。
相場を外すとカモか世間知らずの烙印を押されるわけですが、この本当の相場を知るのが一番大変なことで10件買取店を回っても相場が分かるわけではありません。
大体の方は分かった風で止まっています。
だからこそ大きな利益を、高く売れたと思いながらも買取店に献上してしまっています。
過去記事・・・実際の車買取店 1台当たりの利益とは?
それでも車の買取に関して一般人の方の場合は数を回るしかないです。
それで精度は上がります。
やはりここは掛ける時間と努力しかないですね。
最初の数件は希望額を「空欄」にし情報収集に徹する。
いかに売る気があってそのお店に来ているか。
担当営業マンを気持ち良くさせ、金額を引っ張り出せるかはあなたの腕とこのブログでの勉強の成果にかかっています。
その上で見えてくる大よその相場を元に判断していき、そろそろと思った時に気持ち高めの設定で具体的な金額を書く。
これが個人的には一番無難な方法じゃないでしょうか。
たまに
「友達が車屋やってっからさー相場見てきたんだよね」
というお客さんもいますが、素人が簡単に判断出来るほど相場の見方は簡単なものではありません(簡単な車もありますが)
どちらというとカモになってしまうタイプですので注意しましょう。
自分で見た分、絶対な自信を持って希望額を書きますし、納得出来れば決断も早くなります。
それが安い相場の見方をしていたら・・・お互いに気持ち良く契約をしていることでしょう。
希望額を書くというたかが受付票の一項目。
しかしこの一項目で商談内容がガラッと変わる程の重要な項目です。
変なことを書いて安い売却にならないように注意して下さいね!
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