今回は車のオプション付加価値について。
特にここ5年、車の相場をひたすらに見てきたと自負する管理人が、「付加価値の入り具合変わってきたな」と感じる車のオプションをまとめていきます。
主にこの記事は長いこと当ブログをご覧になられている読者さん用ですが、初めて見る方でも得られるものはあると思いますのでご覧ください。
ここ5年で付加価値の変わってきた車のオプション5選
かなり該当する方の多いオプション5選です。
①自動ブレーキシステム
各メーカーによって呼び名の違う自動ブレーキシステム(緊急時の自動制御系システム)
この手の装備がオプション選択の車種は多数あると思いますけど、付加価値の入り具合は5年前と比べてだいぶ変わってきております。
自動ブレーキシステムを追加装着するための費用はおおよそ5~10万円くらい。
そして最近の傾向は付加価値が3~10万円弱くらい。
2年くらい前までは装着されていても0円というケースが非常に多かったのが、購入時の費用と同額まではいかないけど・・・というくらいに上昇してきております。
認知度も上がって「付いているのが当たり前」という風潮が高年式帯を探している中古車購入層にも浸透してきているのが原因でしょう。
そしてさらに言えば、中古購入層よりも最新装備に目敏い新車購入層は、よりこの手の装備を付けたがります。
その結果、高年式帯の相場を見ると選択可能タイプ(スバルのアイサイトやホンダのホンダセンシングなど)は、自動ブレーキシステムの付いている車両が大半という状態。
相場を見た感覚で言えば8~9割は付けているといった印象です。
つまり付けない場合は残りの僅かな類似データに混ざることになり
データが少ない=相場の判別がし辛い=突っ込んだ金額が出し辛いため相場以上に買取価格が安くなる
この傾向に陥りやすくなります。
なので新車購入時に選択が可能、もしくは外すことによって安くなったとしても、自動ブレーキシステムはもう付けた方が良い時代に突入していると思った方が良いでしょう。
②プリクラッシュシステム
①の自動ブレーキシステムと関連する装備ですね。
プリクラッシュはトヨタが先行して高級車に付け始めた衝突の被害を軽減出来るシステムですが、自動でブレーキの制御、停止まではいかずあくまでアシスト止まりなので、昨今の自動ブレーキシステムよりも効力の低いシステムという見方になってきてしまっています。
昔はあるだけで10万以上の付加価値が入る高級オプションでしたけど最近は空気気味。
装着されているから査定額を増やすという感じではありません。
同メーカーでより最新の制御システムである「トヨタセーフティセンス」が登場したことも大きな要因だと思います。
③LEDヘッドライト
こちらもここ5年以内で変わってきたかなと感じる装備ですね。
オレンジ色の光だったハロゲンライトからキセノン、HIDといった青白い光に変わり、そこからLEDに移行してきたのがざっくりですけど5~8くらい前かな?
まだ当時はLEDとHIDなんて「ダサいオレンジの光じゃなければどっちでも良いよ」という見方だったのが、どんどんデザイン性が加わり高額オプションの類に進化していきました。
進化し始めた段階くらいではまだ中古車屋もなんのことは良く分からず・・・(笑)
そして中古購入層も大半は意識していなかったので、一部の意識高い系のみが対象のやや空気のような存在。
しかし高額車を中心にだいぶ浸透してくると、外観オプションということもあって付加価値が入りやすくなってきているのが現在の状況です。
オプション額丸々付加価値が入るまではまだいかない。
ただ付加価値は入りやすい装備なので積極的に付けられても損をしたという気分にはなり辛いですし、何より一部の輸出車条件にも入るため重要度は高いです。
④ナビサイズ
一昔前のナビといえば7インチの汎用ナビか、ダッシュボードの上におく携帯も可能な小型ナビ。
これが一般的でしたが、ナビのワイドモニター化が加速したのが5~7年くらい前だと思います。
出た当初は一部の車種専用でしかも結構高額なため、中古購入層も欲しいけどそこにわざわざプラス10万20万とかの費用は捻出したくないというのが車を売っていての素直なお客さんの反応。
それがここ3年くらいですかね。
徐々に徐々にですけど、『7インチナビ=ちょっとダサい』という風潮に変わってきている印象があります。
まだまだお金の損を減らすという意味で有能なのは格安7インチナビ。
ただ新車価格300万あたりを目安にそれ以上の価格帯(それなりの高級車枠)になってくると、付加価値の差が目立つようにもなってきていますね。
これは推測として、単純なナビ機能を果たすだけであればスマホのナビでも事足りる。
となるとデザイン性の問題で選んでいる傾向が強くなってきているのかなとも思いますので、高額車を高年式のうちに手放すなんて方はもうそこまで7インチに拘らなくてもよくなってきたかなーとというのが管理人のここ最近の印象です。
そのうち8~9インチが当たり前。
12インチ以上で本格的なワイドモニターなんて時代が来るのかもしれませんね。
⑤両側パワースライドドア
5年以上前からの傾向として、2000ccクラス以上のミニバン系は両側パワースライドドア必須。
片側だと需要が大きく落ちて、売る時にオプション額以上の損をするというのが今までの流れ。
そしてその流れが1500ccクラス、さらに軽自動車にも拡がってきているのかなというのがここ2年くらいで思い始めているところ。
オプション額は大体平均5万くらい。
付加価値の入り方も5万くらい。
付けても損にならないという動きに変わってきておりますので、上昇傾向ということはここからさらに開く可能性も出てきます。
今の時代、スライドドアが両側についていればとりあえず両側とも電動にしておけというのが正解ルートなんでしょう。
まとめ
車の価格帯によって多少の違いはあるものの、比較的目立ち、該当する人も多いであろう5つのオプションについてまとめてみました。
総じて言えること。
当たり前だけど、どんどんユーザーは贅沢になっている(笑)
ナビなんて快適に使えれば何だって良いし、パワスラだって本来は片側でもあればそちらを積極的に利用すれば済む話。
ライトだって目の前しっかり照らせればなんだって良いでしょ!
と思っているのは管理人だけのようで、敏感な新車購入層はもちろん、その数年後には中古購入層も一部の贅沢ポイントにしっかり食いついてきています。
しかしここで大きなポイントとなるのが数年後という部分。
カタログを吟味し、メーカーごとの最先端装備を見比べている新車購入層は分かっていることでも、中古購入層は分かっていないことが多いです。
目立つもの、各メーカーが動いている認知度の高いものに3年後5年後食いついていくという構図なので、乗り換えの回転が早い人はまだ中古購入層が全然付いてきていない可能性があることを把握してください。
特に最先端装備をオプションで付けて3年後に売却!!
なんてやっても、ヘタすれば車屋すらそのオプションがなんなのか理解していないケースも出てきます。
高く売れるには、高くあなたの中古車を買ってくれるエンドユーザーがいないといけない。
超が付くほど当たり前のことですので、オプション装着が自己満足の大損失に繋がらないよう、出始めの最先端装備には警戒してくださいね。
その装備を評価してくれる(可能性がある)のは5年後以降くらいに思っておけば、大損害のリスクは回避しやすくなると思います。
というわけで次回は玄人さんではなく一般の方向け。
オプションの成功例と失敗例について、具体的な数値も混ぜつつ解説していきます。
「付けておくべき車のオプション〇選!」なんて記事に載っているオプションを片っ端から付けるとどうなっちゃうのか・・・
現実を把握して貰えればと思います。