まずオートオークションが相場を形成している場所だということは分かって頂けたかと思いますが、車の買取店や地域によってはディーラーも行っている自店在庫、ないしは自社在庫。
そしてその上のイメージを連想させる直接販売が、オートオークションへの出品を前提とした買取と比べ実際金額的にどうなのかを解説します。
前回記事で「車の流通の流れ」などで画像検索を掛けた方は、一連の流れに加え、その間に発生するマージンに付いてもおおよそ確認されたかもしれません。
まずはその部分についてご説明です。
具体的な例として
例えばあなたの車の相場が50万円だったとします(こんなぴったりなんてことはありませんが)
その車を売ろうとすると、まず買い取ったお店の利益が発生します。
これを10万円だったとしましょう。
買い取ったお店は通常オートオークションへの出品を考えますが、前回記載の通りオートオークションは手数料商売のため、利用するためには費用を支払わなくてはなりません。
これを3万円とします。
今度は買ったお店のすぐ横にオートオークションがあるわけでもないので、その会場までの輸送手段を考えなければなりません。
近場であれば自分達で運ぶという手もありますが、オークションも全国にいろいろとあるため需要に合わせた会場へ運ぶことをちゃんとした会社なら考えます。
当然数百キロの距離は自分達では運べないので専門業者に陸送依頼をかけるわけですね。
これを3万円だったとします。
そうすると単純な差し引きとして
相場が50万円 ー 買い取ったお店の利益10万円 - オークション利用料3万円 - 陸送代3万円
結果あなたの買取金額は34万円ですねというのが基本の計算です。
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次にエンドユーザー、つまりあなたの車が次に乗る方に到達するまでにまた同じようなことが起こります。
50万円で仕入れた車 ⇒ オークション手数料3万円 ⇒ 陸送代3万円 ⇒ 販売店の利益10万円
計66万円
実際はそれぞれの費用はケースによってもっと細かく枝分かれしますし、販売店の利益が一律10万ということもありません。
さらに利益とは別に整備費用や保証料などなどまだ掛かる費用はたくさんありますが、今回は分かり易い一例としてこの金額としています。
これがオートオークションへの出品をした際の流れです。
これを自店在庫、直販などをすることによって経費を浮かしますよ!というのがよくあるセールストークとなります。
実際に自店在庫にした場合、オークション利用料金は発生しなくなります。
出品しないわけですから。
陸送代金もかかりませんね。
運ばないわけですから。
自分達のところで売るわけですからこれがそれぞれ掛ける2倍
つまり12万円が浮く計算になるわけです。
それを買い取り金額に乗せますよとなればこんなおいしい話はありません。
飛びつきますよ。
本当の話なら・・・
現実のお話をします。
このセールストーク。
商談をしながら図解で説明すると一般の方でも理解がしやすい内容なため、10年以上も前から使われている商談方法となります。
オークションがこの価格だがうちで売るとこういったメリットがある。
だから今決めてくれええええ!!
こうなるわけです。
はい、まったく今決める必要性がありませんね。
ただそこにお得と感じてしまう方々が実際多数いらっしゃいます。
お得と感じたその時、目の前には契約書があることでしょう。
ちなみにこの直接販売、自店在庫という内容を全て否定するわけではありません。
私が知る限りこれを実際行っている優良店舗もあります。
もちろん削った経費を利益により多く乗せようとするのでこんな簡単な話ではありませんが、実際高いなと私が思うことも多々あるお店でした。
意外かもしれませんが大手よりは小規模店の方がそのまま店に置いたりする率は高いですね。
融通の利きやすさが段違いですから。
また、オークション出品が悪いわけでもありません。
オークション出品前提のお店が自店在庫を掲げるお店に勝つこともあります。
これはその車の特性(海外輸出、希少性など)などが絡むため簡単に理由をお伝えするのは難しいところですけど、追々こういった部分にも触れていきます。
長くなりましたが重要な部分として
直接販売、自店在庫を謳う店は数あれど
実際のところ7割(個人の体感)くらいはウソ!
査定をさせて貰ったお客さんに
「欲しい人がいるっていうから別んところに売っちゃったんだよね!」と言われて断られた車が平気でオークションに出品されている世界です。
この言葉を頭の片隅に入れた上で商談に望んで下さい。
見える世界が少し変わるはずです。