はい前回の続きです。
今回の記事はかなり重要度が高いです。
しかし細かい計算も入ります。
計算が苦手な方は・・・がんばって読んで下さい(笑)
興味のある方は電卓を片手に読むとより分かり易いと思いますのでご準備を!
では始めましょう。
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お題の通り皆さんもよくご存じの消費税。
もちろん内容は分かっていると思いますが、直接販売や在庫販売となった場合この消費税が非常に大きなポイントとなり、買取金額が変動します。
まず過去に車の買取店などで売却をした経験がある方は、まだ持っていればで結構です。
その当時の契約書を見てみて下さい。
どこかに小さい文字で・・・
「買取車両金額には消費税も含まれております」
こんな文面があることに気付くはずです。
この意味分かりますか?
あなたが10万円でパソコンを購入しました。
内税にでもなってなければ、当然10万円とは別に8千円の消費税を購入したお店に支払う。
これが現在の法律です。
なんら不思議なことは無いと思います。
では・・・
買うでは無く売る時はどうなるのでしょう?
というのがこの記事の本題です。
物を買う立場の人間、つまり買取店側が、売る人間、つまりあなたに消費税を支払っている。
このような構図が出来上がります。
ただ消費税の話までしてしまうと買取金額がややこしく、そして細かくなってしまうため
暗に買取店はユーザーにはそのことに一切触れず、買取金額の中に内税として含めているわけです。
こんなこと普通に売るだけなら誰も知らない話ですよね。
私も過去何千台と買取していますが一度もお客様から突っ込まれたこともありません。
私があなたから100万円で車を買い取った。
そうすると実際の仕入れ金額は¥925.926-になる。
まずはこの流れを覚えて下さい。
超重要です。
そしてここからです。
なぜオートオークションへの出品が前提の場合と、在庫販売などの方法とで値段が大きく変わるか。
その仕組みについて解説していきます。
まず車の買取に対してそこまで積極的ではない中古車販売店は、車をどこから仕入れるのかというとほぼオートオークションから仕入れます。
売れた分の車両の穴埋めに別の車両を買い付けたり、または在庫に無い車両を注文販売としてオークションから探して落札したりと・・・
オークションから車(商品)を仕入れてユーザーに販売するのが基本中の基本。
そして在庫販売などは、本来オークションから仕入れるはずの車両をユーザーから仕入れる。
だからよく広告や宣伝でも見かけるように
「オークション間のマージンが省けますからその分ユーザーに還元出来るんです!」
こんなシステムが成り立つと言えば成り立ちます。
ただここに消費税に関することは一切触れられておりません。
触れちゃいけない部分ですから。
では具体的な例として見比べてみましょう。
以前書いた車の流通の流れは覚えていますか?
見たことないor忘れてしまった方はまずこちらを見て下さい。
この記事では仮定としてオークションに出品するのに6万円としていますが、今回は分かり易いように5万としておきます。
流通の流れはこの通りです。
一般的な考え方としては
買取車両が100万円だった場合。
100万円+5万円=105万円・・・これが仕入れ原価となり、それ以上でオークションで売れれば利益という見方になると思います。
オークションで110万円で売れれば5万円利益!みたいなみたいな。
逆に100万円でオークションから競り落とせば経費を掛けても105万円・・・これが仕入れ原価。
そうするとその差分100万~105万の間で買っても、在庫販売などの場合は損という考え方にはならない。
これがCMなどで宣伝している、マージンをカットするメリットとしての典型パターンです。
でもこれじゃ精々1~5万程度しか高くなりませんよね?
しかし実際買取店が行っている細かい計算式は以下のようになります。
必要があらば電卓のご準備を。
★オークション出品の場合★
(買取金額ーリサイクル料金)÷消費税1.08%+陸送代+出品手数料+落札手数料=仕入れ原価
例えば買取金額100万円 リサイクル料金1万円 陸送代2万円 出品手数料1万円 落札手数料1万円だったとします。
これを上記の計算式に当て嵌めると仕入れ原価は¥956.667ーとなります。
このままオークションに出品し、結果上記のように105万円で売れました。
そうすると
¥1.050.000 - ¥956.667 = ¥93.333-
これが実際の利益の出し方となります。
利益5万円じゃなーい!!!
さらに別途ナンバーを付けたまま(抹消をせず)出品した場合、未経過分の自動車税が出品をした側に戻ってきますので、追加でプラスですね。
では次にオークションから落札する場合の諸費用を見て見ましょう。
★オークション落札の場合★
計算式はこうなります。
落札代金×消費税1.08%+落札料+陸送代+リサイクル料+(抹消出品じゃなければ未経過分の自動車税)=仕入れ原価
上記の例に当て嵌め、オークションから100万円で車を落札したとすると
100万円×消費税1.08%+落札料1万円+陸送代2万円+リサイクル料1万円+(未経過分自動車税)=約112万円+α(未経過分自動車税)
ここまで出すと後は簡単ですね。
分かり易いように自動車税は抹消前提、費用発生無しとしますが
オークション出品を前提の場合は100万円前後の相場だった場合、約100万円あたりが買取れる限界値となるでしょう。
仕入れ原価¥956.667-から見ても差し引き見込み利益は4万円強。
安く売れてしまえば赤字のリスクも伴うかなりシビアの状況です。
ただ直接販売、在庫販売の場合は、オークションから仕入ようと思えば112万円程かかるわけですから、極端な話それより安ければ得という考え方に結び付きます。
もちろんオークションは相場が前後しますから、多少安く仕入れられる可能性も考えますので、112万円まで買取でというのはなかなか難しいです。
しかし105~110万円くらいならオークションからの仕入れよりは得になる可能性高いですよね。
好んで出したくはないですが、ユーザーからなんとかとお願いされれば・・・私なら出してしまいます。
会社によって見解は異なるでしょうがオークションの検査は本当に細かい部分までは確認されません。
修復歴の判別などに自信が無いと出来ないですが・・・しっかり見れる能力があれば自分で見た車の方が安心出来るものです。
そうすると112万・・・ケースによっては加修の必要がまるで無いという理由でさらにもう少し踏み込んだ金額まで出すケースもあります。
これが売り手、つまりこのブログを見ているあなたが車の売却時に目指す内容であり
本当の高価買取となる売却内容です。
そして・・・
お気づきの方もいると思いますがこの消費税。
当然ベースの価格が上がれば上がる程、消費税の額も増えていきます。
仮にあなたの車の売却金額が300万、500万クラスだったら・・・?
その差は数十万単位となるわけです。
ただ、勘違いしてはいけません。
先ほどお伝えしたように、好んで高い金額が出るわけではありません。
当たり前ですが相手は利益を求める企業です。
買取の上限値を在庫販売などで高くしても
それをスムーズに出す会社なんて私は知りませんし、まずそんな会社は無いでしょう。
そんな会社があれば倒産してしまっているでしょうからね。
だからこそ他社はいくらだったのか?
いくらなら売ってくれるのか?
などなどクロージングにクロージングを重ね、下限での買取をしようとします。
詳しくは過去記事をご覧下さい・・・世間話のつもりが・・・実はクロージングをかけられている
先ほどの例でいけば112万までが限界だと思っていても
隙あらば50万円、80万円で買取を行う世界です。
そして実際に在庫販売などを行うつもりが無くても、営業マンは皆口を揃えて在庫車両に~お客さんがいまして~と言います。
何が本当の話なのか見極めるのはこんな記事を書いといてあれですが難しい作業でしょう。
それは前回の記事で書いた検証の結果からもお分かりかと思います。
大手だから、販売日本一だから限界値で毎回買取を実行しているわけではありません。
ちなみに私が自分の車を一括査定で売却した際は、前回記事の某大手さんは一番早く無理ー!って言って帰られました(笑)
またよく勘違いしている方がいますが、売値が高いからその分高価買取を行っていると思っているユーザーが非常に多いです。
まぁ気持ちは分からなくないですけどね。
買取金額はどこも100万前後。
でも売っている値段は150万円。
直接売るなら150万まではいかなくても、120万130万くらい出したってなんとかなるんでしょ?と。
上記の例に当て嵌めればすぐ分かることですが、オークションから仕入れた方が仕入れ額が安いなら、買取店は当然オークションから仕入れます。
そこはユーザーからお願いされようが、企業ですから仕入れが安い方から仕入れるのは車に限らず当たり前のことです。
ただ・・・
ちょっと変わった車に乗っている方は別です。
・希少車(古い、高価、装備が特殊などの理由で市場に余り出回ってない車両)
・改造車(系統に合わせた改造を施している車両)
参考過去記事・・・車売却のための豆知識 パーツ評価値一覧
このような車に乗っている方は予想外の値段になる可能性があります。
例えば改造費に200万円掛けましたという車。
会社によっては評価値が5万程度しか入れないこともあれば50万入れられる会社も出てきます。
または自分の車をGooなどで検索したら、全国でも数台しかヒットしない。
このような車は相場が確立されていない=会社によっての評価値に差が出る。
こんな現象が起きるわけです。
そういった車の特徴は買取金額と売値との差が非常に大きいです。
何社か査定して貰っても100万前後。
でもあなたの車に近い車が売値で200万以上で売っている。
こういった車はその可能性があると思って貰って結構です。
当然元は取れませんが、直接販売、在庫販売などによって値段が引き上がる可能性は充分有り得ますので、ぜひ頑張って頂きたい!!
追記
知り合いに車屋がいるから相場を見せて貰った上で買取って貰ってる。
もしくはそこでオークションに出して貰っている。
こんな方もいると思います。
ちなみにあなたの車の価値が300万円前後だったとしましょう。
実際オークション取引データを見ても300万くらい。
確かに知り合いのおっしゃる通り!
でもこういった方々・・・
結構消費税分を騙されてますからね?
300万くらいで取引されている。
オークションに出すのに手数料も5万くらいかかる。
せめて他の買取店程じゃないけど、知り合い価格で5万くらいはマージン頂戴よ。
またはオークションで売れた金額から知り合い価格の5万ほどの僅かなマージンと経費差し引いてあとのお金は渡すよ。
300万で売れたら290万ね!
もちろん売れた金額も見せるよ。知り合いだから特別ね!
こんな話よく聞きますが・・・
消費税だけで24万くらいあるわけです。
軽く20万くらいは損してるわけですね。
「知り合いだから特別に相場を見せてあげる」
これ中古車屋さんとかのかなり美味しい商売ですのでご注意を。
やる方も商談の必要がないので非常に楽ですし、特別に取引データを見せるという演出が非常に売る気にさせます。
この知識が無いと・・・高い車ほど大損し続けますよ。
【カーセンサー】
売却を検討している方はこちらから。
高額売却に結び付きやすい地場企業や、車によっては県外の専門業者からも問い合わせが入ります。
極力聞いたことのある会社だけでなく、聞いたことの無い会社を選んで下さいね。
【ズバット車買取比較.com】
こちらも地場企業の参加率が高い一括査定サイトです。
オークション転売が主体の会社では無く、自店に在庫として並べる会社を見つけられるかがポイント。
小規模店、地場企業の方が営業力が無い&自社販売率が高いので、話がスムーズなことが多いですよ。
【かんたん車査定ガイド】
最大10社の査定が取れる一括査定です。
ただし最高額が分かるわけではありませんので、あくまで査定確保ツールとお考え下さい。
査定数が増えれば高額売却になりやすい在庫採用などのチャンスは広がります。
にー さんでいいですかね?
いつも穴が開くほどブログをみてます。応援してます。すk・・
やめときます。
ということで質問ですが、
車をかったときにすでに私ら売った人に消費税を払ってるという事になってるということですが、その税は私はお上に献上しなければならないものなんでしょうか?
(これは誰もふれてないのでそんなことはないというのはわかります)
で、いくら100万で買った車が105万でうれて利益は5万じゃなーいといっても実際は5万じゃないですか?
ということは、実際は落札された時にかかる消費税が利益の一部になるということなんですか?
考えれば考えるほどわからなくなるので簡単な質問にこたえていただけないでしょうか?
250万で買い取った車がUSSオートオークションで250万で売れたとしたら買取店はそれでも利益がでるということですか?
私の理解でいえば利益がでるということになるんですが間違いですか?
よろしくお願いします。
ありがとうございます私はフリーです。
なぜ売却時に消費税分が上乗せされるかは正直私もはっきりとは分かっていません。
たぶん相手が事業者の場合を想定して消費税分を入れていると思うのですが・・・
なのでそれを生業としていない一般の方がたまたま車を売っても、その上乗せ分を国に献上しなきゃいけないとかはないですよ。
事業者だと一定ライン超えたら払わないといけないので、買取店がオークションで車を「売った」場合の消費税の一部がお国に持っていかれます。
あと100万で買った車が105万で売れたら利益は5万じゃないですね(笑)
250万で買ってオークションで250万で売れればそこに利益が発生します。
計算式は記事内にあるので割愛しますが、250万で買って250万で売れれば諸経費差し引いても15万くらいは利益です。
250万+税で買ってれば別ですけどね。
250万を内税で買うのが基本だから利益が生まれるのです。
内税外税ってなんかややこしいですね
エンドユーザーはオークションの相場+消費税の金額を買取店に売却時に目指せばいいって事なんでしょうか?
最初のうちはややこしく感じると思います(笑)
ただややこしい分、一般の方はほとんど把握してませんので、車屋にとっては良い儲けの種にもなりますし、逆に一般の方には損の理由にもなったりします。
取っつきにくい部分だからこそ、しっかり把握された時の恩恵は大きいと思いますよ。
あとその計算式はかなりざっくりですけど、おおよそそんな感じで問題ありません。
本気で細かくやれば車毎の適正会場への陸送代やリサイクル料金、税金の戻り分などもっと計算が複雑にはなります。
難点はその複雑な部分でも数万単位の変動が起きるってところですね。