前回の続きです。
一括査定会社の誇大広告に振り回され、そのツケを営業力と涙でなんとかしている買取店ですが
簡単に考えれば情報得るのを止めちゃえばいいじゃん!
って話ですよね?
でもなぜか止めません。
では何故でしょう?
理由はいくつかありますので箇条書きすると
・平均的な査定単価が高い
・査定を取る選択が買取店側にある
・会社認知度の向上、小規模店の査定確保ツール
・なんだかんだ辛い部分もありつつ多少の収益確保が出来ている。もしくは赤字にはなっていない
・自分の会社が止めたところで他が止めるわけではない。ライバルが少なくなれば喜ぶのは他社。今更止めらんねぇ!
大よそ理由はこんな感じになります。
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① 平均査定単価が高い
これは大手の来店査定単価との比較です。
直接店舗へ出向くユーザーの車の質より、一括査定で登録するユーザーの車の質の方が高いんですね。
なんとなくイメージは付きやすいんじゃないでしょうか?
自分の車の価値が厳しいと思ってらっしゃる謙虚なユーザーはわざわざ来てもらうのも申し訳無いし、そもそも比較をするような車では無いと諦めていることがあります。
多少でもお金になればと藁にもすがる思いです。
そしてそういった方々は割りと直接お店に行かれます。
もちろん値段が付かない車両を一括査定に登録する方々もいっぱいいますが(笑)
また、値段が高額となる車はやはり自信を持って出張依頼を掛けられる方が多いです。
この車なら来て貰ったって構わないだろ?と。
もちろん喜んで行かせて頂きます!と買取店は鼻息荒く電話攻撃に転ずるわけです。
そして以前ご説明した通り車の価値が高ければ高い程収益率が高いため、良質な車を仕入れるツールとして使わざるを得ないというのがあります。
② 査定の選択が買取店側にある
来店は査定依頼に来た車を基本的には拒めません。
値段が付けれないのであれば付けれないで簡単にですがその旨をお伝えしていきます。
なかには見た目から査定もせず、駐車場で0円ですと返してしまう買取店もありますが(タイムイズマネー!!)その会社の本部が知ったらお怒りになる対応でしょう。
しかし一括査定はアポイントを取るも取らないも買取店の自由です。
望まない車であれば行かなくていいわけですから、狙った車にアクションを起こせます。
なので低単価車両になると収益率が低いため
「あれ?一括査定で5社登録されているはずなのに1社しか連絡こないじゃないか」なんてことも起こりえます。
こんな状況になってしまったらクレームなど入れず、素直に「あ・・・自分の車の価値って無かったんだな」と思った方が宜しいかと思います。
また遠方だと時間効率が悪くなるため電話主体の営業になることも多々あります(話が煮詰まれば出張査定行きますみたいな)
③ 会社認知度の向上、小規模会社の査定確保ツール
これもそのままの内容ですね。
小規模会社は大手と違い、自然来店(ユーザーから店舗に出向いてくれる)がほとんどありません。
待てども待てどもお客様が来なければ、自分から行くしかないとなるわけです。
また小規模会社はそもそも名が知れてないわけですから、仮に成約に至らなかった、またはアポイントに繋がらなかったとしても名前を知って貰うという意味ではメリットが発生します。
かなり割高な広告も兼ねているということです。
④ なんだかんだ辛い部分もありつつ収益確保が出来ている。もしくは赤字にはなっていない
これも言葉の通り。
何社も絡んだ激戦のような状態ではありますが、それでも収益が確保出来ているか最悪でも通期で見て赤字にまではなっていません。
10年以上この一括査定に関わっていますが、収益が確保出来てないであろう会社は消えている、もしくはすぐ消えますので。
ちなみに会社によっての目標指数は異なるでしょうがおおよそ
アポイント率(情報査定率)20%以上・・・・100件の情報を買ったら20件は査定に行く
情報成約率 5%以上・・・・100件の情報を買ったら20件は査定に行きそのうち5件は成約する
台粗利 10万円以上・・・・100件の情報を買ったら20件は査定に行きそのうち5件は成約をし1台当たり10万円は利益を取る
ここら辺をクリアすると多少収益に繋がっている状況なはずです。
簡単な計算として1件の情報が2000円だったとすると100件で20万円。
うち5件を買取り、1台当たり10万円の利益が出せれば50万円。
差し引き30万円の収益。
これに動く人間の人件費、燃料、高速などの費用を差し引くとちょっとプラスくらいという計算ですね。
実際はスタッフ一人がもっと動きますしね!
⑤ 自分の会社が止めたところで他が止めるわけではない。ライバルが少なくなれば喜ぶのは他社。今更止めらんねぇ!
なんだかんだ特に大手はここを意識しているんじゃないでしょうかね。
止めたくても止められない一番の理由な気がします。
極端なお話し、全部の会社が一括査定というシステムから手を引けば一括査定会社は全部消えます。
収益元が無くなりますので。
ただ小規模会社はなかなか止められないですよねお客さん確保出来なくなっちゃいますから。
また、本来大手買取店はCMなどの宣伝広告費に莫大なお金を掛けているため、わざわざ外部の情報に頼らなくても自然来店が見込めます。
特にガリバーはおっそろしいお金を掛けている分、この勝手にお客さんが来てくれるシステムが出来上がっています。
なのに情報を買わなきゃいけない理由。
それは小規模会社を含む他社が喜んでしまうから。
一括査定なのにライバルが1社だけだったら買取店は大喜びです。
2分の1で買えますからね!
小さい会社が大きく成長してしまう可能性も出てきてしまいます。
そうしないために俺んとこも混ざる!=3分の1、俺も俺も=4分の1とどんどん分母が膨れ上がっていったわけです。
もちろん小規模会社がまだ参入出来る!まだなんとかなるとさらに分母を増やします。
そして気付けば10分の1とかになっています。
当然一括査定会社はウッハウッハとなり、Yahooなどに大量の広告費を投入=一括査定の利用者がより増加。
なんか一括査定が儲かるらしいぞ!=新しい一括査定会社が参入。
おいおい一括査定の宣伝するとお小遣いが貰えるらしいぞ!=お小遣い欲しさに一般人?がホームページで宣伝、誘導。
おいおいおい・・・大手でも自然来店が徐々に減少=も、もう止めらんねぇじゃん・・・
今がこんな状況です。
ちなみに10年前の一括査定は、私が仕事をしていた地域は常に大手3社で争ってました(笑)
今はもう8社くらいが平均ですね。
ちょっと買取店の内情の部分を詳しく書き過ぎましたがまとめるとこうなります。
それとついでではありますが、ユーザー側がよく望む内容のデメリットも記載しておきます。
①一括査定の誇大広告はあくまで一括査定会社の問題です。
買取店が引くに引けない状況のため、あんな内容でも商売が成り立ってしまっています。
買取店にその罪を擦り付けるのは可哀想なので、文句は一括査定会社に直接言いましょう。
もしかしたら、よりユーザーにとって概算価格が知りやすいような形態に変わるかもしれません。
②一括査定時に打ち込む車両情報はほとんどおまけ程度の内容です。
そこから電話なりの対応を行うことによって多少なりまともな金額が把握出来るようになりますので
一括査定を行う=電話ラッシュに対応出来るという状況で行いましょう。
1件1件ちゃんと出ればそんなに苦労はしません。
逆に電話対応が嫌であれば登録するだけ無駄です。
③メールのみの対応と記載したり、または適当な電話番号で登録しようとしている方は注意が必要です。
メールのみの対応でも構いませんが、あくまで車に詳しい慣れている方用だと思います。
以前記事にしたオプションを把握していることや、どの要素が売却額に影響があるかを把握していないと無駄に幅の広い概算金額で終了しますので、慣れていないうちは電話での対応をお勧めします。
また電話を嫌がり適当な電話番号を入力することは止めときましょう。
あなたは無料でも、その適当な登録に各社お金が自動的に発生しています。
お金が発生するということは・・・悪質な場合いろんな意味で大人な対応をする可能性があるということです。
④概算価格が高いところに査定依頼を頼もうとしている方は要注意です。
電話でその旨を伝えられたり、中にはその旨を登録時に記載する人もいますが、それは適当でもなんでもいいから概算高くしてくれと言ってるのと変わりません。
あくまで概算ですから買取店は値段を上げることはいくらでも出来ます。
後々下げられて後悔するだけですので、会社を選びたいなら電話対応など別の部分から会社を選択した方がいいかと思います。
⑤そもそも一括査定は安易に値段が聞けるサービスではありません。
なんとなくで利用しても得られる物は大して有りませんので、売る時期の見通しが立ってから登録するか、以前記事にした時期が先々でも値段を知る方法を使ってご自身の車の価値を知るようにしましょう。
特に⑤が重要ですね。
一括査定サイトを見れば勘違いもしてしまうでしょうが、値段を知りたいという目的で登録をするものではありません。
その内容で登録をしても、登録したユーザーと買取店スタッフそれぞれがストレスを抱えるだけです。
それでも・・・どうしても登録してみたいんだよおおお!
という方は入力項目が一番多いカーセンサーの一括査定にしときましょう。
手放しの時期や修復歴の有無など一番細かく入力出来ますので、登録する方は大変かもしれませんが買取店は一番値段が絞りやすい一括査定サイトです。
お勧めはしませんが本当にこの方法を使ってご自身の車の概算が知りたいなら・・・相応の情報は必須ですので無料なんですからその分情報入力は頑張りましょうね。
逆に売る気があればどちらもWinWinな関係になれるかと思いますので(上手くいけば)
使い方を間違わないように上手に活用しましょう!
にー様、いつもお世話になります。
少しお伺いしたいのですが、一括査定サイトで沢山の業者を集め、入札制度にすれば高値が出やすいですか?
業者一件一件対応するのは時間的にも無駄で、〜〜早く売らないと下がります。この価格が限界です。〜〜など同じ事を話を聞かないといけません。お互いの腹の探り合いは疲れます。
入札制度にする際は開始価格は悩みますが。実際のところどうでしょうか?
次回はこの方法で売りたいと思っています。
入札制度というのは数社同時査定でその場でのプチオークションですかね?
それとも名刺の裏なんかに金額書く一発提示ですか?
途中から話に入ってすいません。
他の車関連のサイトで勧めていた方法なのですが、
複数の買取店を同じ時間でアポとって、その方たちの名刺の裏に希望額を書かせるみたいな売り方が本当に高く売れる方法なのか知りたいです。
にーさまの言われている数社同時査定でプチオークションというのとどちらが高く売れるのかも教えていただきたいです。
ご質問内容が同じになるので、かぬれさん、よってんさん同時にご返答しますね。
まず名刺の裏に書いての1発提示はちゃんとやれば安い売却にはなりません。
今はレベルで言えば~って言い方をしていないのでなんて言えばいいかな・・・大体オークションで捌けるギリギリのあたりにはなり易くなります。
運が良ければ小売り前提価格に入ることもありますね。
ただどの価格をボーダーにするかで内容が大きく変わります。
ボーダーを引かない、もしくは安いボーダーに設定すると談〇の可能性が付きまといます。
逆に高過ぎるボーダーを引いてしまうと、集まった会社はどこも買えず金額提示も無いまま帰りますので、その後の再商談は単独でやるしかなくなります(もう1回同タイミングで呼ぶというのは相手も商売ですので近々でやろうとするとまず無理です)
また、一発提示は本部に踏み込んだ価格交渉を行う前の価格が提示されます。
分かりやすく言えば超本気のフルパワーではありません。
フルパワーはこちらから売ること条件の金額提示で成り立っていきますので、一発提示で価格を求めるスタンスだとそこが見えなくなります。
なのでそこまで売却価格を突き詰めず、ほどよく高さと楽さを両立させたい方が取る売却方法ですね。
今まで腐るほど一発提示をやってきましたが、大体はオークション転売で大きく儲からないけど逃げ切れおりました。
あとプチオークションはこれはお勧めしません。
より安く買いたい買取店がその場しのぎで編み出した方法ですが、各営業スタッフが会社から決済を貰った範疇の中で競りをするという意味です。
本来150万円まで決済があった会社も、他社が142万で折れれば142.1で売買が成立します。
1位と2位に決済額に価格差があった場合、出ている決済MAXを使わなくても買えるという買取店都合の方法になりますので、各社同時査定でその場で決めるつもりなら一発提示の方がまだ可能性が上がりますのでお勧めです。
お世話になります。
一発提示で予めてこちらで設定した開始価格以上の金額を名刺に書いてもらい、1番高いところに買取ってもらう方法を考えています。いかがでしょうか?