管理人は現役時代に年間300~400台前後の車を買取をしてましたが、年間5件前後の割合でトラブルになるのがこのメーター交換です。
まずメーターの交換は経緯が以下のように分かれます。
①故障や社外メーターなどによりメーターの交換を行うケース(記録簿付き)
②故障や社外メーターなどによりメーターの交換を行うケース(記録簿無し)
③メーターが故障したままの状態で直さず走っているケース
④中古で車を買い、数年後売りに行ったらメーター交換が発覚するケース
⑤自分で悪意を持ってメーター巻き戻しを行うケース
だいたいこのくらいでしょうか。
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車の距離数は非常に大事な要素のため、全国的に「走行メーターチェックシステム」を使い不正のある車かどうかの判断を行っています。
ただこのシステムに関しては詳しく記載はしません。
不正に利用されても困りますしね。
このシステムでメーターの巻き戻しや交換など、車1台1台の情報が得られるようになるため、ほぼ買取店やディーラー、中古車店などは利用していると思います。
ではそれぞれの項目について売却時にどのような扱いを受けるのか、またどのようなデメリットが発生するのかを解説します。
①故障や社外メーターなどによりメーターの交換を行うケース(記録簿付き)
一番メーター交換の中でも症状が軽いです。
まず記録簿、もしくは新車保証書にメーター交換の記録が残っていれば問題ありません。
単純に1万キロ時に故障でメーター交換を行い、0からスタートしたのち今3万キロですよとなれば足して実走行4万キロとなります。
もちろんオド表示が4万キロとなっている通常の車に比べたら幾分か値段に影響がありますが、極端な影響ではありません。
またスポーツカーをフルスケールメーター(320キロメーターなど)に変えるなどはちょくちょく見かけますが、記録簿が残っていれば逆にプラス評価になったりします。
全然ダイジョーブ!!
トラブルにもなりません。
②故障や社外メーターなどによりメーターの交換を行うケース(記録簿無し)
トラブルになることもちょこちょこあり、商談時に買取店側が苦労するタイプです。
言い換えればユーザー側は泣きます。
車というのは距離で値段が決まるといっても過言ではありません(一部輸出車輛を除く)
もちろん色々な要因で車の価値は決まりますが、誰でも買うなら距離は少ない方がいいに決まっていますので、距離が増えれば増えれるほど価値は下がります。
まぁ一般常識ですし疑問に思う方もいないでしょう。
では実走行値が証明出来い車をどう思いますか?
親族の車などで経緯が分かっていれば別です。
まったくの赤の他人から、証明は無いんだけど実走行は3万キロだから!とオド表示の2万キロを見ながら説明されて納得されますか?
このパターンの車はこういった運命を辿ります。
そして走行不明扱いとしてひっそりと車の流通に乗るか廃車となっていきます。
よくあるのは町の整備工場などでメーターの修理交換、または社外メーターに入れ替えた際に発生しますね。
整備工場を悪く言うわけではありませんが、車の売買に詳しくなければメーターの交換だけを行い、整備記録簿を発行しないところも多々あります。
逆にディーラーなら発行しないことが後々ユーザー側の損失に繋がることが分かっていますので、記録簿、もしくは保証書に記載を行います(全部ではありませんが)
整備工場はとりあえず交換をし、しっかりオド表示が増えるようにすることが仕事と認識していたりします。
もちろん分かっているところはしっかり発行していますけどね!
古い車ならまだいいんです。
距離が5万キロでも10万キロでも年式が相応に経過すれば値段は最終的に無くなりますから。
しかし、新しい車だったら?
昔こんなことがありました。
とあるスポーツカーを新車で購入し、メーターを280か320キロメーターに入れ替えられたお客様がいました。
しかしその費用をケチったのかは知りませんが、依頼を掛けたのは知り合いの整備工場。
その後燃費の悪さと維持費の高さからたった2年で売却。
走行距離は1万キロくらいでした。
本来なら400万は価値がある車。
しかしメーターを交換した証明が無い。
そのため50万キロ走った車とも思われる内容になってしまい売却額は半分以下の160万。
その方はローン残債が大きく残っていたため売るに売れず、最終的にどうされたのかは分かりません。
一番極端な例ではありますけど、10年くらいは前のことなのに今だに覚えてます。
皆さん自信を持って言うんです。
「実際の距離は○万キロくらいだ!」と。
でもその内容を、次に乗る赤の他人は分かってくれないのです。
たかが記録簿、されど記録簿です。
中には発行された記録簿を紛失してしまう方もいらっしゃいます・・・
その紙切れに数十万、数百万の価値があるとも知らずに。
こうならないよう、メーターの交換をされる際はしっかり記録簿を残すように必ず意識しましょう。
③メーターが故障したままの状態で直さず走っているケース
たまに見ますがトラブルにはなりませんね。
ユーザー側も諦めてる方ばっかりなので(笑)
大体は古い車で、もうどうでもいいと思ってる方々ですので特に問題も無いと思います。
お互い納得の廃車です。
特別な損失もありません。
ただ新しい車で、走っているのにメーターの表示が増えていかないなどがあったら早急にディーラーに行きましょう。必ず。
②のように大損害を被ります。
④中古で車を買い、数年後売りに行ったらメーター交換、巻き戻しが発覚するケース
一番トラブルが多いです。
そしてユーザー側も辛い思いをします。
まずユーザー側はメーター交換、もしくは巻き戻しの経緯を知らないというのが一番厳しいところですね。
理由は②のような経緯の車を販売店側が悪意の有る無しに関わらず、ユーザーに言わず販売をしているケースがあります。
いや言ってない時点で悪意はありますね。詐欺です。
または故意に販売店側が撒き戻すというケース。
少なくなったとはいえ、今だにそんなことをする業者がいます。
あとはヤフーオークションですね。
あそこはなかなかヤバいです・・・
普通の車ももちろんありますが、ある意味車の掃き溜めのように一般流通に乗せられない車が溢れ返っております(笑)
プロの市場と違い検査も何もない申告制ですからね・・・
さすが安さ重視と言ったところです。
話が逸れましたがこの④のケースで一番怖いのは、契約時にメーター交換経緯の確認が取れないところにあります。
買取店からは契約時に聞かれるわけです。
「メーターの交換はしたことないですか?」と。
知らなければ当然「してないです」と答えるはずです。
そして後々発覚、トラブル発生と・・・こういった流れですね。
もちろんユーザーはそんな寝耳に水な話をされても戸惑うでしょう。
なんのことだと思うはずです。
しかし売却はあくまでユーザーと買取店との契約であり、車に問題があればユーザーにいきます。
そこを飛ばして原因としての可能性がある販売店にはいきません。
結局は減額に応じる、もしくはその減額が不服であれば車を戻され、直接販売店と話し合わなければいけなくなります。
販売店も悪意が無い販売店であればミスを認め良心的に対応してくれるかもしれません。
しかし悪意を持って利益のためにメーター交換、巻き戻し経緯のある車を偽って販売していたとしたら・・・
経験上よっぽどの短期間で発覚しない限りユーザーは勝てません。
乗った期間内にユーザー側が撒き戻してないという証明をしないといけなくなるため、その証明が難しくなります。
悪魔の証明というやつですね。
最終的には泣き寝入りです。
この部分に関しては追々「車の購入」の際により詳しくお話ししたいとは思いますが・・・
あくまで自分が知らなくても自分のところに問題は来てしまうということは覚えておきましょう。
身を守るためには安心が出来るであろう販売店で買う、購入時の注文書なり契約書なりはしっかり取っておく。
100%判別が出来るわけではありませんけど、最低限自分の身を守るようにしましょう。
オークションの落札履歴なんか見せて貰えれば一番間違いありません(オークション側でチェック済みのため)
⑤自分で悪意を持ってメーター巻き戻しを行うケース
これはもう論外ですね。
トラブルどうこうにもなりません。
買取店もフォローしようとかは無く見捨てます。
結果的に高くなると思ってやり、逆に安く売却するしかなくなるという面白い展開になります。
ほとんどいないとは思いますが、今だにネットで検索するとそういったことを行っている業者がいるのが問題ですね。
数年前から自動車の距離数表示はより厳しくなり、今は車検証の左下余白欄にも車検の時の距離数が表示されるようになっています。
稀にこの車検証に乗っている距離数よりも今の距離数のが少ないのに
「いや知らないなぁ・・・」
なんてすっとぼける人もいますがすぐバレますからね?
車検当時の名義もお宅なんだから知らないわけないだろうと(笑)
皆さん悪いことは止めときましょうね!